新しく教科となる「小学校英語(外国語)」の教科書を展示会で見てきました。
小学校英語の教科書は7社が発刊。わたしが感じた印象を全社、ご紹介していきます。ちなみに紹介は教科書発行者の番号順です。それでは、どーぞ!
東京書籍『NEW HORIZON Elementary』
東京書籍は、一言でいえばベテラン向けの教科書です。
東京書籍の特徴は、A4版の大きな紙面サイズです。A4版を英語で採用している教科書は東京書籍と学校図書だけでした。
また活動が明確で何をするのかわかりやすいと感じました。
各学期末の「Check Your Steps」において、学期で学んだ各Unitの活動を統合したスピーチなどのActivityがあるのがポイントですね。具体的に内容解説の資料を見てみましょう。
5年生のUnit1・2・3では「名刺交換」「バースデーカード作り」「夢に近づく時間割紹介」を行います。そして、この3つのUnitで学んだキーフレーズを基に「外国人に自己紹介」という活動を行うという感じです。
また別冊「Pcicture Dictionary」があり、唯一の3冊構成! なんかお得ですねw イラストと単語が書かれているので、児童が書き写したり眺めたり活用する姿が目に浮かびます。
一方で、残念に感じたポイントについても、まず紙面をどういう順序で使えば良いのか、素人には全くわからない点です。
素人にわからないってことは、児童も保護者の方もわからないってことですからね。具体的に見て頂くために内容解説資料から紙面を引用しましょう。
例えば、このページでは1時間目と2時間目で紙面のどの場所を使えば良いのか書いてありますが、ちょっとわかりにくいと思います。
また紙面の下段に「Small Talk」「Word Link」「Sounds and Letters」がありますが、これをどの場面で使えばよいのか具体的には書かれていません。
ベテランの先生なら余裕だと思いますが、小学校英語は担任がメインで指導します。指導書があるから大丈夫なんでしょうか。
また特徴にあげたA4版の紙面は、小学校の机のサイズに対して大きすぎないか。別冊はなくしてしまわないか、という危惧があります。
東京書籍のポイントをまとめると…
・A4版で大きくて見やすい。
・学期末の活動に向けて各Unitが構成されている。
・別冊「Pcicture Dictionary」があり唯一3冊構成。
・紙面の使い方がわかりやすいのか?
・A4版は小学校の机に対して大きすぎないか?
・別冊はなくしてしまわないか?
(引用・参考)NEW HORIZON Elementary | 2年度用 小学校教科書のご紹介 | 東京書籍
開隆堂『Junior Sunshine』
開隆堂は、一言でいえばハイレベルな教科書です。
開隆堂は表紙こそ「進撃の巨人」が日本を襲っている感じですが、紙面内のイラストは今風のアニメっぽいキャラクターになっています。
また紙面をどういう順番で使えばよいのか素人でもイメージしやすい構成になっています。内容解説資料から紙面を引用すると…
何をすれば良いのか明確な紙面構成になっており、先生は使いやすいでしょうし、児童も保護者もどんな勉強をしてきたのかイメージしやすいと思います。
また6年巻末の「中学校へつなげよう」では、「語順」「過去形」「単数形・複数形」「外来語」といった言葉と共に解説が書かれています。
一方で気になった点は、紙面を見た感じでは、「聞く」⇒「歌う」⇒「聞いて・遊ぶ」⇒「活動」⇒「書く」というような流れになっています。
英語教育では十分なインプット量を踏まえて、「話す」「書く」をすべきだという考えがあります。開隆堂の紙面では、そこそこ早めに「書く」が出てきます。これってどうなのかな?と。良く言えばハイレベルな印象を受けました。
もう1点気になったのは6年の後半に「6年生を終えて」という項目が30ページもあることです。教科書全体のページ数は約110ページです。
6年生のLesson自体は80ページで終わり、残り30ページは前述の中学校の内容など含んだプラスαの内容という構成です。これをどの程度扱うのかわかりませんが、なかなかハードな内容になっています。
開隆堂のポイントをまとめると…
・使い方がイメージしやすい。
・インプット量が少ない? 先生が足す必要があるかも。
・6年生の後半3分の1は「振り返り」と「中学校の内容」がある。
・ 総じてハイレベルな印象を受けました。
(引用・参考)2020年度 小学校教科書のご案内
まとめ
今回は東京書籍さん、開隆堂さんの2社についてでした。次回も2社の教科書をご紹介したいと思います。それでは、また。
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