RYOSAKASANTO

教育業界にいる陵坂さんが教育・子育て・DWEなどについて書くブログ

大学入学共通テストの試行調査の結果報告から見る今後の方向性


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2019年4月4日に「大学入試センター」より大学入学共通テストの試行調査の結果報告がありました。

今回はその内容をまとめてみましょう。

(参考)大学入学共通テストの導入に向けた平成30年度(2018年度)試行調査(プレテスト)の結果報告及び地理歴史A科目の参考問題例について

大学入学共通テストとは

大学入学共通テストとはセンター試験が廃止され、2021年1月から実施されるテストのことです。

2020年度に高校3年生、つまり現在2019年度4月に2年生の高校生が受験します。

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(引用)大学入学共通テストの導入に向けた平成30年度(2018年度)試行調査(プレテスト)の結果報告

またCBT(パソコンなどの利用したテスト)も検討されています。

受検上の配慮については、配慮事項部会において議論を引き継ぎ、2019年度中に、文字解答・チェック解答用の記述式問題解答用紙例や、記述式問題のパソコン等を利用した解答方法等を公表する予定である。

この方向性のまま進めば、受験生にはキーボード入力もある程度できる必要がありますね。

さて、今回の結果報告のポイントをまとめてみましょう。

結果報告のポイント

・「マーク式問題」でも平均正答率が低い教科がある。

具体的には数学Ⅰ・A(34.54%)、数学Ⅱ・B(44.89%)、物理(38.86%)、生物(32.63%)、地学(42.65%)の4教科5科目です。

記述式がキビシイのはなんとなく想定内ですが、マーク式の部分でも低い教科と科目がありました。特に数学については時間不足の可能性が指摘されています。まあ、会話文の問題文は長かったですからね…。

「数学Ⅰ・数学A」「数学Ⅱ・数学B」については、問題文を読み解く量が多かったことなどから、試験時間が足りなかった可能性が考えられる。

「大学入学共通テストに向けて(マーク式問題)」という項目を読むとどのように今後修正されるかの方向性が書かれています。省略しつつ引用しますね。

①数学2科目

(中略)全体の分量と試験時間のバランスに課題が残ったものと考えられるため、以下のような改善を図る。(中略)

数学的な問題発見・解決の全課程を問う問題は、大問もしくは中問1題程度とし、他の問題は、課程の一部を問うものとする。(中略)

思考に必要な時間が確保できるよう、文章を読解するために要する時間を試行調査よりも軽減する。そのため、用いる題材は主として数学の事象とするが、日常生活や社会の事象などを題材とする問題については、数学Ⅰ・数学Aの共通問題においては最低1題出題することとし、数学Ⅱ・数学Bについても1題出題するように努める。

 ちなみに「物理」はこの通り。

多様な分野・領域の小問からなる第1問 の正答率が予想よりも伸びなかったなどことが課題であったと考えられる。(中略)特に第1問については、知識の理解を明快に問う問題を中心とする工夫をするなど、難易度が高くならないようにする方向で調整していく。

「生物、「地学」も。

科学的な探求の過程を重視するという方向性は維持しつつも、問題の分量(文字数や資料の数など)については、受検者が問題などの内容を理解して解答に至る時間が十分に確保できるよう、文章を精査することや、資料の示し方や提示する箇所について工夫することなど、更に見直しを進めることとする。

基本的に分量が抑えられる方向で修正されるようです。この点は、受験生、先生にとっても安心材料ですね。

・選択問題について

理科では選択問題は出題せず、数学2科目では継続予定のようです。

試行調査における方向性を踏まえ、理科において選択問題は出題しない予定である。数学2科目においては、引き続き選択問題を出題する予定である。

・受験時間について

共通テストでは記述式導入により試験時間が国語で20分、数学①で10分それぞれ増える予定のようです。

・複数マーク問題は困難

数学で当てはまる選択肢を全て選択する問題がありましたが、技術的に困難だ書かれています。CBT(コンピューターを用いたいテスト形式)にならない限り、ほぼ出題されないと考えて良さそうです。

複数マークを正答として扱うとマークシート1行に濃度の濃いマークと薄いマークが混在する可能性があるが、薄いマークと消し跡を明確に区別して読み取るような基準を設定することは困難である。

まとめ

・数学、物理、生物、地学の問題分量は減る。

・選択問題が残るのは数学だけ

・数学の複数マークはCBTにならない限り出題されない

その他にも国語の自己採点が合わないなど新聞で報道された課題もありますよね。ただ方向性として記述式のウェイトは下がりません。

進学校の先生と話していると数学や理科の記述式問題は、難関大学の二次試験対策と本質的に変わらないという意見が多いようです。

そういう意味では、それまで高校の授業で二次試験対策(記述式対策)をしてこなかった中堅高校の生徒さんにとっては差が出やすい分野と言えるでしょう。

記述式問題は、基礎・基本がキッチリわかっていないと難しいです。

公式の意味やどうしてその公式が成り立つのかを理解し、そういうことをわかった気になっていないかの確認から取り組んでくださいね。それでは、また。