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教育業界にいる陵坂さんが教育・子育て・DWEなどについて書くブログ

小中学校へのスマホ・ケータイの持ち込みをなんとなく反対していない?


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文部科学省の柴山文科大臣が、学校へのスマホ持ち込み禁止について見直すことを発言されました。

発端は、2019年2月19日の記者会見において大阪府が持ち込みを認めるガイドラインの素案を示したことについて発言でした。

(参考)学校へスマホ持ち込み禁止の指針、文科省が見直しへ:朝日新聞デジタル

公立小中学校でスマホ持ち込みのガイドライン作成 大阪府教委が素案 - 毎日新聞

ちなみに以前も紹介しましたが東京都の都立高校の一部では現在試験的に生徒のスマホを持ち込んだ授業の取り組みもなされています。 

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わたしはスマホ持ち込みに関しては基本的に肯定的な意見を持っています。あなたはこのスマホの持ち込みについてどのように考えますか?

大阪府のガイドラインの素案の内容

色々考える前にそもそも大阪府教育庁のガイドラインの素案の主な内容を見てみましょう。以下、一部抜粋してご紹介です。

・登下校中に所持する目的は防災・防犯のため。緊急時のみ使用する。

・登下校中や校内ではかばんの中に入れる。

・ルールに従わない場合、学校が子供の携帯電話を預かり、保護者に直接返却する。

・災害などの緊急時以外、保護者から子供の携帯電話へ連絡しない。

(引用)「安心」「悪影響」小中学校へのスマホ持ち込みに賛否両論(1/3ページ) - 産経ニュース

この大阪府のガイドラインはあくまで素案であり、3月末に正式決定となる見通しです。

重要なポイントは、「緊急時のみ」「かばんの中に入れる」の2点ですね。

スマホ・携帯電話の所有率

では、スマホ・携帯電話の所有率はどうなんでしょうか?

内閣府が平成30年2月に発表した「平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)」の数字を見てみましょう。

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 (引用)平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)‐内閣府

このグラフから平成29年度のスマホ・携帯電話の所有率を見ると…

小学校 55.5%

中学校 66.7%

高校  97.1%

高校生になるとほとんど全員が所持していますが、小学校だとほぼ半分。中学校で7割未満という状況です。

否定派の2つの意見

おそらく否定派の意見は2パターンに分けることができるんじゃないでしょうか。

それは、「子どものスマホ・携帯の使い方」の部分「スマホ・携帯自体はあんまり関係ない」部分の2つです。

片方は「スマホと関係ない」ってどういうことだよ、と思うかもしれませんがこの後、説明しますね。

子どものスマホ・携帯の使い方

まず「子どものスマホ・携帯の使い方」について具体的に見ていくとはこんな感じでしょうか。

・子どもが授業中に使って遊ぶに決まっている

・登下校の歩きスマホが危険だ

簡単に言ってしまえば、ルールの部分の話です。

「使うな」と言っても子どもが使ってしまうんじゃないか、という危惧ですね。

確かにプログラミングの研究授業を見学に行ったら、児童が先生の指示に従わず、タブレットを使っているケースを見かけることがあります。わたしの乏しい観測範囲では約30数人のクラスに1人いるくらいの割合でしょうか。

研究授業という多数の教員や関係者の集まる場所でもそうなんですから、普段の授業だともう少し多くなるのかもしれません。

これに関しての対応は、保護者にも当事者になってもらうことで一緒にルールを作って、持ち込むのか持ち込まないのか、その運用を決めるということが考えられます。

保護者、子どもがスマホを不要だと決めれば、持ち込まなくて良いと思いますし、保護者、子どもがスマホを必要だと考えるのならご家庭の教育を含めたルール作りは不可欠でしょう。

スマホ・携帯自体はあんまり関係ない

次に「スマホ・携帯自体はあんまり関係ない」部分ついて具体的に見ていくとはこんな感じでしょうか。

・イジメの原因になる

・盗難、紛失の原因になる

いわゆる家庭の格差でスマホを持っていない子が、イジメられるのではないか。休み時間や体育の授業などでカバンに入れていたら、誰かに盗まれるのではないか、というような意見です。

現時点で小学生の保有率は55.5%ですから、クラスの2人に1人という計算です。「あの子だけ持っていないよ」みたいな形のイジメは生まれにくい状況だと言えます。

もちろんこれは平均ですから、地域によってバラつきがあります。また「スマホを持ち込んで、調子にのっている」的な理由でイジメが生まれる可能性も考えられるでしょう。

ただ根本的には、スマホが原因ではありません。

スマホでイジメをするクソどもは、たぶんスマホがなくても適当な理由を付けてイジメをすると思います。盗難もそうです。スマホがなくても、上履きや筆記用具など誘発するものは学校にはいくつもあります。

この懸念、否定意見に対しては、スマホの有無で解決するのではなく、学校、家庭での日々の教育で解決するものだと思います。

現状維持バイアスに陥っていないか

わたしがなぜわざわざ考えられる否定派の意見を書いて、丁寧に分類したかというと理由があります。それは「新しいことを始めるとまず批判する」という人が必ず現れるからです。

ただその人達は悪意があるわけではないし、理屈ではなく感情的になんとなく嫌なだけだったりします。

そして、これは別に何も変なことではなく現状維持バイアスと呼ばれる心理が働いているだけです。

現状維持バイアスとは、変化よりも今のままの方が安心だという心理のことです。

「不安定な未来が嫌だから、不満はあるけれど転職には踏み切ることができない」とか「スマホはよくわからないからガラケーのままで良い」とか、そういう心理ですね。

誰だって新しいことを始めるのは不安です。だって経験がないことには必ずリスクがあり、そのリスクがどの程度なのか見積もることが困難な場合もあるからです。

ただ忘れがちなのは、現状維持していることにもリスクがあるということです。

スマホを持ち込むことによるメリット(災害時の安否確認)と上記したデメリットのどちらが大きいのか。

ぜひ、現状維持バイアスに陥らずに丁寧に考えてみてください。では、また。 

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