引き続き「読書感想文」についてです。前回は読書感想文がいやな3つのワケについて書きました。
簡単にまとめると
・本がツマラン
・何を書いたら良いかワカラン
・どう書いたら良いかワカラン
の3つでしたね。
今回はそれを踏まえた上で、具体的に読書感想文を書く方法をご紹介しましょう。
まず正攻法編なので本はツマラナくても気合で読んでもらって(笑)、本を読んだ上でどうすれば良いのかについて述べていきましょう。
「魅力」が「感想」になる
まず何を書いたら良いのかわからない場合。
抑えておくべきことは、本の読み方はひとつではないということです。
どういうことか、わかりやすく「機動戦士ガンダム」に例えて説明したいと思います。
いきなり「感想」に行く前に、どこが作品の「魅力」だと感じるでしょうか?
モビルスーツが活躍するところ? アムロの人間的成長?
戦争の恐ろしさ? ホワイトベースの人間関係?
アムロ、ララァ、シャアの三角関係? シャアの宿命?
これだけでなく、まだまだ沢山の「魅力」が出てくると思います。このことはガンダムに限らず、全ての作品で同様のことが言えます。
ここで抑えておきたいのは、作品の「魅力」を語ることが「感想」を書く1つの方法になるということです。
これなら書けそうでしょ。
どんな感想を書いてもよい
「魅力」を書けば良いことがわかったと思います。ではそれをどう書けば良いのでしょうか?
この「魅力」についての例え話からわかることがもう1つあります。
それ自分にとって魅力であっても、他人はまったく魅力を感じないことがあるということです
ある人が伝記ものとして楽しんだ作品を別の人が恋愛ものだと楽しんでも、まったくおかしくありません。
つまり人はその作品の魅力の全てを把握することは不可能なんです。
本当か? そう疑っているかもしれないのでもう一度ガンダムに登場願いましょう。
唐突ですが、仮に「ガンダムの魅力は登場人物の髪形だ」と言ったとしたらどうでしょうか?
いやいや、無理あるわー。
そう思って否定する方もいるかもしれません。
しかし、それに対して
「宇宙世紀のファッションの中にも流行と昭和の時代から変わらない普遍性が読み取れるし、キャラクターの性格・個性が服装と共に表現されている。
例えばアムロ・レイなら初代からZにかけて髪形は大きく変わらないものの影の入れ方一つで青年から大人になったこと表現している」
と言えばどうでしょうか。
思い付きでテキトーに書きましたが、なかなか全否定できないのでないでしょうか?
仮に否定したとしても、それは自分以外の考えを否定しているだけで「魅力だと感じたこと」自体は否定することはできません。
人によって魅力を感じる部分が違うことを認めることは、相手を他人だと認めることと同じ意味です。
自分と相手は違う人間だと認めることは、自立と多様性という考えにもつながります。
そして学校教育は、自立と多様性を育むことを目標としています。
ですから、どんな感想であっても構いません。自信を持って書きましょう。
そのときに大切なことは自分の感想を書く時に「理由・考え」をしっかり書くことです。
ガンダムの例にしたように「理由・考え」という根拠さえあれば大丈夫ですよ。(上の例だと理由が弱いので、そこは指摘されるでしょうが…)
結論から書く
ここまでで「魅力」について書く。その「理由・考え」(根拠)を書くことがわかりました。
じゃあ、文章をどう書けば良いのでしょうか。思いつくままツラツラと書くことも悪くありませんが、同じなら上手に書きたいですよね。
そこでまず結論から書きましょう!
文章は結論から書くのがスタンダード。
高校生の課題研究、大学で書く論文、レポート。社会人になってから書く報告書。すべて結論から書くのが基本です。
具体的にどうすれば良いのか。またまたガンダムを例に書いてみましょう。
ガンダムの最も魅力的な要素は、髪形だ。
こう冒頭で言い切ってしまいます。もしくは、
わたしがガンダムにおいて最も注目して取り上げたいのは髪形についてである。
みたいな書き出しでもいいでしょう。
大切なのは「最も」と強調する点と「髪形」と結論を書くことです。
次の段落から、そう考えた「きっかけ」「理由」「自分の考え」の順に書いていきましょう。
(文章量によっては簡単な「あらすじ」を「きっかけ」の前に書いても良いです。)
最後にもう一度、「結論」を書きます。
このときに大切なのは「これからどうしたいか」という現実的な自分の考えや行動の変化も書き加えることです。
例えばこんな感じ
これまで髪形について好きな芸能人の真似をしてみようとか、その程度しか考えてきませんでした。
しかし、これからは髪形も表現や文化の1つとして見ることができます。
このことに気付かしてくれたガンダムの髪形が、わたしにとってはガンダムの最も魅力的な部分です。
ほら、これなら簡単に構成できて、締めくくりも簡単でしょ。
まとめ
・自分の感じた魅力を書く
・どうして魅力を感じたのか理由・考えを書く
・結論から書く。
・最後にもう一度結論を書く時には、現実生活の変化を書く。
これで読書感想文も本を読み終わることが出来れば書くことが出来そうですよね。
えっ?
本を読み終わることが無理だって?
わかりました。
次回、本を読まずに感想文を書く禁断の方法についてご紹介しましょう。
さて、この記事で書いたガンダムの髪形が魅力説はわたしがテキトーに書いたものなのでご意見を頂戴しても平謝りしかできません。
ガンダムシリーズの中ではテレビ版機動戦士Zガンダムが一番好き。Zの口元とカッコ良さと衝撃の最終回が思い出深いんですよねー。
まだの方はお盆休みにどうぞ。