新聞を読んでいると早稲田大学が入試改革の一環で「数学」が必須化されるとのことです。
早稲田大学といえば、私立大学の雄。また他の私大への影響もあることから関係者に衝撃が走っていると新聞では報じられています。
新聞の内容
まずは新聞の内容を確認してみましょう。すでにご承知の方は斜め読みしてください。
現在の大学入試センター試験から大学入学共通テストに切り替わる平成33年1月を機に、政経学部の一般入試で、外国語、国語、数学I・Aを含めた4科目を課し、共通テストの英語で活用される民間試験、学部独自試験の結果も合わせて合否判定する-としている。
必須の外国語と国語に加え、世界史▽日本史▽数学I・A、同II・B-から1つを選ぶ現行方式からの変更となる。
(引用)
早大政経、数学必須化の影響は? 理数苦手な志願者離れる/他大学も追随か(1/4ページ) - 産経ニュース
というわけで、平成33年(2021年)1月の入試から数学Ⅰ・Aが必須化されるということになります。次に公式発表を見てみましょう。
早稲田大学の公式発表
念のため公式発表を見てみましょう。それがこちらです。
(引用)
https://www.waseda.jp/inst/admission/assets/uploads/2015/06/2021ad_change_pse.pdf
英語外部試験、学部独自試験などについても詳細に書かれています。まず押さえておくべきはこの一文です。
一般入試について、大学入学共通テスト、英語外部検定試験、学部独自試験(日英両言語による長文を読み解いたうえで解答する形式)の合計点により選抜する方式に変更します。
合計200点。その内訳は大学入学共通テスト(100点)、英語外部検定試験および学部独自試験(100点)となっています。
これを見るとかなり英語の比重の大きい入試であることが読み取れると思います。
大学入学共通テストは、英語、数学、国語、選択科目の4つで100点なので、大学入学共通テストにおける英語は25点。
つまり英語だけで200点中125点もあります。これは62.5%という割合です。(数学は200点中25点)
しかも外部試験の割合は全体の15%程度となっているので、200点中30点が外部試験ということで、これは英語125点中の割合で言うと外部試験が占める割合は24%になります。つまり英語のうち約4分の1は外部試験。これってウェイト大きいよ。
そして、最後はこの一文です。
・学部独自試験は1 科目のみを90 分間で実施します。なお、日英両言語による長文を読み解いたうえで解答する形式とし、記述解答を含むこととします。
問題を見ないことにはなんとも言えませんが、これだけ見るとかなりハード。しっかりリーディング、ライティングが出来ないと記述解答はできません。
外部試験の活用についても国立大学協会の外部試験活用ガイドラインの2割をやや超える数字ですからスピーキング能力が問われます。
数学必須化が新聞では報道されていて、もちろんそれは大切なんだけど、それよりも英語にシフトした入試改革って捉える側面も必要なんじゃないでしょうか。
まとめ
これまでは外国語、国語が必須科目で、選択科目の中に世界史、日本史、数学Ⅰ・A・Ⅱ・Bがあった状態でした。
新聞によると政治や経済の分野で統計学の重要性が高まったためと理由を述べています。
確かに、個人的な考えや思いをベースにする主張よりもエビデンスベースの発信が求められる時代です。ですから数学を政治、経済を扱う学部で重視するのは最もなことです。
ただ今回の改革の主眼は、英語入試への比重を増すもので、新聞だけ読むと数学対策へミスリードしているように感じてしまいます。
数学の必須部分は所詮I・Aです。惑わされずに英語への対応を忘れないでください。
じゃあ、また。