RYOSAKASANTO

教育業界にいる陵坂さんが教育・子育て・DWEなどについて書くブログ

【道徳】教科書採択と著者は関係するのか?【前編】


f:id:ryosaka:20180616005644j:plain

今、中学校の道徳教科書の採択が行われています。8月末までには教科書採択を決定するスケジュールですから、おそらく現在、学校現場や教育委員会においてどんな教科書が良いか選定作業が行われているはずです。

今回の目的は、教科書採択の結果は著者と関係するのかについての「事前調べ」という内容です。 

なぜ疑問に思ったのか

どうして採択結果と著者の関係が気になったのかについてご説明します。

教科書採択といえば、少し前に新聞報道で大きく取り上げられました。その内容は教科書会社から選定に関わる教員に対して金銭が支払われたり、検定中の教科書の閲覧をしたりといった不正行為でした。

さて、ここで唐突に話が変わりますが国会では1年以上、いわゆる「モリカケ問題」が取り上げられています。特にカケ問題でマスコミが取り上げるのは、総理の友達が優遇されていたのではないかということ。

(本来、加計学園問題は安倍総理とお友達の間で不正な働きかけ(金銭授受)があったのか否かが焦点のはずなんですが…)

この件に関して、橋下徹さん(元大阪市長)は外形的公正性が大事だという主張されていて、わたしは結構納得してしまいました。

橋下さんの言う外形的公生性とは

とてもシンプルに言うと「誰が見ても怪しまれないようなプロセスにしましょう」ということです。

話を教科書採択に戻すと…

この外形的公正性を踏まえた時に疑問に思ったのが、教科書の著者についてです。教科書の奥付には多くの著者が携わっていることがわかります。著者になるレベルの教員は、まさにその道のプロ! 当該地区、当該都道府県でも知らない人はいない教科教育を進めるリーダー的存在であるはずです。

当たり前の話ですが、教科書が売れれば売れるほど著者に多くの印税が支払われます。

(正確には個々の出版社と著者間の契約によって違います)

教科書の売上は、採択された地区の生徒数に準じずるのですから、出来るだけ多くの地区で採択されることになればそれだけ著者の利益になります。

もちろん教科書は税金でまかなわれているものですから、教科書著者となった教員は教科書採択の実務をつくことはありません。

一方で、著者にとって本とは自分が携わった作品、子どものようなもののはず。著者という立場で直接採択に関わらないとはいえ、周りの教員に関わった教科書会社の良さを熱弁したりすることはないのでしょうか?

また、前述のように著者になる教員はその地区で知らないものがいないリーダー的教員のはずです。教科書採択に関わる学校現場、教育委員会が「せっかくうちの地区のリーダーが関わっている教科書なんだからこの教科書会社を採択しよう」と忖度することはないのでしょうか?

 

もちろんどれも大きな問題ではないでしょう。なぜなら教科書採択に関わっている教員は基本的に地区内でも一部の人間にしかわからないはずだからです。

ですから著者が自分の関わった教科書をピンポイントに採択に携わっている教員に宣伝するのは確率的には厳しいと思われます。

(学校数の少ない地区なら可能性はあるが、それだと子どもの数も少ないので著者にも教科書会社にもメリットが少ない)

また学校現場、教育委員会の忖度は、勝手にしているわけで違法性はありません。問題があるとしたらまさに外形的公正性という部分です。(マスコミの報じるカケ問題のように著者の有無で特別扱いがあるのではないかってこと)

 

目に見えるものが真実とは限らない。

教科書著者は、自分の関わった教科書を本当に宣伝しないのか?

教員や教育委員会は教科書採択で地区のリーダーに忖度しないのか?

教科書会社は、全部計算して著者を選んでいるのか?

コンフィデンスマンの世界へ、ようこそ!

(by コンフィデンスマンJP)

 

というわけで、現在進行形で進んでいる中学校道徳の各教科書会社の東京都の先生方のお名前を列挙させていただきます。

東京都の中学校の道徳著者

教科書展示会でメモってきたものを教科書会社WEBページで再確認しながら書きました。ただ一部会社の著者が見つけられなかったり、こちらの環境のせいで確認しきれなかったものもあり、お名前・ご所属に誤りがありましたら申し訳ございません。 

東京書籍

八王子市立宮上中学校教諭 海老沢 宏

新宿区立西新宿中学校教諭 畑佐 直紀

江東区立深川第三中学校教諭 柿沼 治彦

目黒区立大鳥中学校教諭 鴨井 雅芳

江戸川区立葛西第三中学校教諭 城戸 加代子

杉並区立東田中学校教諭 小池 林太郎

世田谷区立梅丘中学校教諭 廣澤 和子

(参考)

https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/spl/doutoku/introduction/

光村図書

新宿区立四谷中学校教諭 小貝 宏

(参考)

編集委員 | 「特別の教科 道徳」 | 光村図書出版

教育出版

世田谷区立深沢中学校校長 池田 富太郎

新宿区立西新宿中学校主幹教諭 津田 淳

品川区立品川学園主幹教諭 西野 淳

足立区立花畑北中学校副校長 松澤 亮

(参考)

https://www.kyoiku-shuppan.co.jp/docs/chudoutoku/pdf/shuito_tokushoku.pdf

日本文教出版

豊島区立西池袋中学校統括校長 江川 登

北区立飛鳥中学校校長 鈴木 明雄

元・葛飾区堀切中学校校長 永林 基伸

荒川区立立原中学校副校長 松原 好良

武蔵野市立第一中学校校長 若槻 善隆

(参考)

平成31年度版「中学道徳 あすを生きる」内容解説資料 | ActiBook

学研

三宅村立三宅中学校校長 大房 裕司

練馬区立中村中学校教諭 須貝 牧子

府中市立第四小学校校長 吉田 修

(参考)

中学生の道徳 明日への扉

廣斉堂あかつき

小金井市立小金井第二中学校 池田 和幸

豊島区立西池袋中学校 桶川 希三子

江戸川区立鹿本小学校校長 坂口 幸恵

府中市立第三中学校校長 森岡 耕平

葛飾区立水元小学校 矢田 佐和子

(参考)

中学生の道徳¦廣済堂あかつき

日本教科書

墨田区立寺島中学校教諭 足立 由美子

都立三鷹中等教育学校教諭 高城 淳之

(参考)

http://www.nihon-kyokasho.co.jp/wp-content/uploads/2018/04/nihon-kyokasho.pdf

雑感

こうして見ると例えば新宿区なら、新宿区の先生が携わっている教科書会社が3社もあるわけです。しかも西新宿中から二人も! きっと道徳教育の充実した学校なんだと思います。

さあ、この3社の中から選ばれるのか、それとも外形的公正性を保つためにあえてこの3社は外すのでしょうか。新宿区教育委員会の判断はいかに?

まとめ

さて、今回はあくまで前半戦。採択が全て終わる8月末まで待って、改めてどの程度の関係があるのか見てみたいと思います。後編はその時に!

最後に重ねて書きますが、著者のいる教科書を採択しても金銭など不正なことがなければ「何も問題ありません」。マスコミ的カケ問題の観点から考えれば「外形的公正性がどうなの?」ってレベルの話です。あくまで誤解のないようお願い致します。

じゃあ、また。 

www.ryosaka.com