RYOSAKASANTO

教育業界にいる陵坂さんが教育・子育て・DWEなどについて書くブログ

小学校英語の評価と中学校とのつながり


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どうも今回は小学校英語の「評価」と「小中の連携」のお話です。

読売新聞2018年5月31日の教育ルネサンスというコーナーで「教員養成に文科省指針」という見出しがありました。

記事の内容は玉川大学の教員養成を紹介し、その後、文科省の指針が紹介されています。少し引用してみましょう

英語の教科化などに対応するため、大学では、19年度の入学生から小学校の教員免許取得を目指す場合、英語の指導法に関する科目(1単位以上)が必修化される。

(引用)http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180530-118-OYTPT50389/list_NEWS_MAIN$0531

確かに小学校英語の教科化を考えると、これから教員を目指す人達が英語指導法を学ぶことは必須ですよね。ただこの記事についてちょっと気になることもあったので考えてみました。 

気になった点

それは記事の最後に出てくる学芸大学の粕谷恭子教授のコメントです。

「中学校の数学教師は、生徒が小学校で九九を教わったという前提で授業をする。英語教育でも、小学校教員は正しい文法と音声による表現を心がけるなど、中学、高校とのつながりを意識した授業が求められる」と強調した。

小学校英語の教育背景に疎い方はもしかすると「小学生に対して正しい文法と音声が求められる」と理解したかもしれませんが、それは微妙に違います。

もちろん正しい文法、音声が出来ればそれは素晴らしいことなんですが、「正しい文法と音声による表現」を求められるのはあくまで「教員側」です。

このコメントについてわたしが気になったのは小、中、高のつながりという部分です。

ちなみに粕谷恭子教授について

粕谷教授は、小学校英語教育の専門家です。

NHK Eテレ「プレキソ英語」の監修をつとめ、「小学校英語教育学会副会長」も務められています。また小学生向けの英検ドリルの本を旺文社さんから発刊しています。 

【CD付き】小学生のためのよくわかる英検4級合格ドリル 改訂増補版 (旺文社英検書)

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英語の小・中・高のつながりの難しさ

これまでの英語教育は主に中学校と高校で行われました。その為、すでに中学校と高校ではお互いにつながりを意識した授業がされているはずです。

また高校入試の存在のおかげで高校教員からするとスクリーニングされた生徒が入学してくるわけですから、高校の教員としてはある程度のレベルを想定することができるでしょう。 

じゃあ、小・中のつながりの難しさは何か。

それは現時点では中学校に進学した時点で何を学んできたのか学校によって違う点です。

え? どうして? 学校によって教えること違うの? と思われたかもしれません。

現状、小学校英語の教育状況は学校によって違います。

今、小学校英語の指導は過渡期で、学校によって先進的に取り組んでいるところとまだまだALT任せで外国語の授業というよりは英語で遊ぶだけの授業をしている学校もあります。

そんなバラバラのスタイルで学んできた小学生たちが地区で定められた中学校に集まるわけですから、中学校に進学した時点で児童の英語力に大きなバラつきが生じます。

(学校選択制の地区なら尚更バラバラになります)

5・6年生の小学校英語教科化によってこのバラつきが今よりも幅が狭くなる可能性はあります。それは教科化によって「教科書」が存在し「評価」が生じるからです。

 「教科書」と「評価」

教科書が存在することによって何がかわるか。それは教科書の存在によってその区市の教育内容に共通のベースが生まれることです。そして、「評価」することで習得のラインが引かれます。通常ならそれで良いのですが、少しやっかいな部分があります。

小学校英語のこれまでの主旨は「外国語活動」という名前だった通り「活動」に重きがおかれていました。つまり細かいミスよりも「慣れ親しむこと」「伝えようとしたこと」「伝わるかどうか」の方が大事だったということです。

そして、このことを「評価」してきたのが「小学校英語」です。

今後の評価についてはどうなるのでしょうか。文科省の資料によると…

評価規準、評価法王など、新学習指導要領の下での学習評価については、平成28年12月の中教審答申の指摘(※)を踏まえ、今後の国における具体的な検討を受けて、追記・修正する予定である。なお平成30・31年度の移行期間における学習評価については平成29エンド中に通知される予定である。

(引用)http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/__icsFiles/afieldfile/2017/07/07/1387503_1.pdf

となっているので平成29年度中に通知されているはずなんですが、わたしの探し方が悪いのか見つかりませんでした。(お恥ずかしい)

ただ粕谷教授のコメントにあるように「小学校の九九」のように小学校英語でもわかりやすい到達ポイントの共有が小・中学校の間にあるだけでも助かるように感じます。

例えば

「アルファベットを全て書くことができる」

「自分の名前をアルファベットで書くことができる」

「簡単な挨拶と自己紹介を言うことができる」とかでしょうか。

こういうわかりやすい目安があるだけで、中学校からの学びがスムーズになると思います。

こういう共通認識が地区毎にちゃんと設けられると良いですよね。

じゃあ、また。 

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