陵坂と考察と

教育関係会社員が教育を中心に考えたこと、思ったことを書きます。

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教育業界に就職するならこう質問してみよう

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どうも陵坂です。今回は教育業界関係に入りたいと就職を考えている大学生向けの内容です。企業分析ってなかなか大変だと思うんです。みんな一見似たようなこと書いてあるし。

一方で教育に貢献したいと思っていても「少子化だしなあ」と不安を抱えていると思います。そこで基礎的な学校情報とその見方を知ってもらい、そこから教育関係の企業はどういう舵取りの選択があるのか。そういうことのヒントになるような内容になればいいなと思って書きます。

平たく言うと会社資料とかを見る時の前提情報にしてもらったり、会社説明会でどういう質問をすれば良いのか参考にしてもらえば幸いです。 

全国の学校数について

まずは教育業界の市場規模について知っておきましょう。

こちらについて調べるには文部科学省と一般財団法人日本私学教育研究所の資料があります。今回は表の見やすさから一般財団法人日本私学教育研究所の方の資料を引用させていただきます。

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 (引用)一般財団法人日本私学教育研究所‐学校数の推移(2017.12.22)

こちらによると平成29年度の高校は4,907校、中等教育学校は53校、中学校は10,325校、小学校が20,095校、義務教育学校は48校だということがわかります。

少子化などの影響があり年々減少傾向だということも併せて読み取ることができると思います。

また教員数なども公開されています。その会社が児童・生徒にターゲットを合わせるのか、教員なのか、それとも学校インフラなのか。

どちらにせよ前提のなる規模とその中でのパイの奪い合いになることを押さえておきましょう。

(数字は同じですが文部科学省の資料が見たい方はこちらをどうぞ。

文部科学統計要覧(平成29年版):文部科学省

マーケティングする際の注意点

では学校に対してマーケティングする際の注意点はなんでしょうか。細かいことを書いてしまえば都道府県毎の特性の違いなど多岐に渡るのですが大まかには校種の違いを把握することと言えるでしょう。 

小学校と中学校の違い

義務教育である小学校、中学校は住む地域によって学力差があります。これは親の年収や教育への関心によって通う地域に偏りが生じるからです。

ただ中学校からは私立や都内で言えば都立の中等教育学校(中高一貫校)に進学するケースも増える為、少し傾向が変わります。

以前紹介した東京都の学力調査についての記事ではそこまで書きませんでしたが、小学校の学力が高い地域と地価の高い地域は相関関係にあります。 

www.ryosaka.com

例えば千代田区、中央区、港区、文京区、目黒区、世田谷区といった地区の地価を調べてみましょう。

地区名

単価

順位

千代田区

平均538万5184円/m2

2 位 /1733市町村

中央区

平均664万8195円/m2

1 位 /1733市町村

港区

平均328万2508円/m2

3 位 /1733市町村

文京区

平均105万1217円/m2

9 位 /1733市町村

目黒区

平均107万3348円/m2

8 位 /1733市町村

世田谷区

平均62万8519円/m2

14 位 /1733市町村

(参考)土地価格相場が分かる土地代データ|地価公示価格・基準地価

もちろん東京都なら市部でも学力の高い地域があるので、すべてこれだけで説明するのは間違いですし、東京都とその他の県を安易に同列に分析するのも浅はかです。

ただ小学校はより顕著に保護者の状況が学力、教育への投資などに反映されやすいことを押さえておいた方が良いでしょう。 

高校の違い

さて、義務教育を終えた高校ではどう違いが出るのでしょうか。それは義務教育と違って高校入試の際に学力でスクリーニングされる点です。1発勝負のペーパーテストで選抜されるため、学校毎で学力が全然違います。

そうなると、そういった生徒・保護者・先生へアプローチする方法や商材も当然変わってきます。また学校側の設備投資への方向性も学力に対してなのか、それ以外のスポーツや文化的な方になるのか変わります。

じゃあ、進学重点校と呼ばれる超上位校、上位校、中堅校…はそれぞれどの程度の校数があるのでしょうか。実はこれは校数だけを調べても意味がありません。なぜなら同じ高校でも入学時のコースによって学力差があります。当然コース毎に教材その他に使われる費用の期待値も変化するからです。

では、実際に東京都内の公立・私立に関して、コース毎の偏差値を元にどの程度のコース数があるのか、その割合はどうなのか調べてみました。

(注)今回の調査ではあくまで高校入試の偏差値を元に行いました。理由は簡単だからというのが大きいですが、おそらく大学合格実績で調査していても大きな差はでないはずです。

偏差値

コース数

割合

77~70

31

5.0%

69~65

38

6.1%

64~60

88

14.1%

59~55

97

15.6%

54~50

103

16.6%

49~45

95

15.3%

44~40

128

20.6%

39~

42

6.8%

合計

622

100.0%

(参考)最新!東京都 高校偏差値 ランキング 2018(1)

今回は偏差値70以上はそれ以上という扱いにし、それ以下を5刻みに表にしてみました。高校生は現在一学年あたりだいたい100万人います。1%あたり1万人ということです。

ただ、この5刻み毎に市場の傾向が変わるのかと言うと商材やその他によってどこで区切ることが適切かどうかは変わって来ると思います。

例えば、高校生向けの進学用の市場であれば以下のような区切りの方が学校のニーズと近い可能性もあります。

偏差値70以上は全体の5%、偏差値69~60は全体の20%、偏差値59~45は全体の47.5%、偏差値44~は全体の27.4%。

実はこの区切りの大よその狙いは東大・京大に何人いれるかを目的にしている高校、そこに追いつきたい高校、進学率を意識している学校、ほとんど進学しない学校という仮定の元、行いました。

おそらく44以下のコースではそもそも進学しない・勉強に意欲のある生徒が少ないため教材・予備校などの市場を見込むことが出来ません。じゃあ、ある商材を売り込む場合に偏差値70の市場に焦点を当てるのかと言えば製作しても全体の5%しか顧客がいないという状況が生まれてしまいます。

成績アップに向けて意識し、市場としても成り立ちやすいのは偏差値59~45の層だと想像できます。全体の約半数をしめる割合ですからね。ただ、この中でも上層と下位層でニーズは変わって来るはずです。

(ちなみにこれはブログ用にテキトーに区切っているので実際の学校現場の実体を保証するものではありません。というかリアルなそれは守秘義務の関係で書けません)

学校関係の商材はどのジャンルも概ねレッドオーシャンですが、そもそも超上位校は絶対数が少ないし、勉強に興味のない学校はそもそもあまり生徒に商材を購入させようとしません。

このあたりの市場を分析した上でどの層に向けて商材を作っていくかに各会社のポリシーや哲学、企業力が反映されます。 

会社説明会でこういう質問をしてみよう①

つまり学校関係の売上比重が高い会社は苛烈なパイの取り合いをするレッドオーシャンで生き残ってきた会社でもあります。ただ先細りでこの道だけでは会社を維持存続出来ないと会社は把握しているはず。

仮に学校関係メインの会社がとれる選択肢としては、

  • 未参入の教科に進出する
  • 未参入の商材に進出する
  • 未参入の校種に進出する
  • 義務・高校教育以外の市場に進出する
  • 海外市場に進出
  • 教育とは関係ないジャンルに進出する

の6点です。

1から比較的容易な順に並べてみました。(どれが容易かは会社状況によっても変わります)もちろんこれら以外の選択肢もあるとは思います。まずこれら項目について簡単に補足をしましょう。

下記では説明をわかりやすくするために高校の「国語」について問題集を発刊しているメーカーを想定して説明してみましょう・

1.未参入の教科に進出する

 「国語」の問題集だけだったメーカーが「英語」の問題集にも参入するようなパターンです。また高校で言えば、次期指導要領からは「探求」という内容が加わります。この「探求」の関する商材を作る場合も1に該当します。

2.未参入の商材に進出する

今までは問題集だけだったけれど、例えばタブレット端末・スマホなどで使用できる商材を作成する場合、日本語検定のようなその特性を生かした別の取り組みを始めることを指します。

3.未参入の校種に進出する

小学校・中学校向けに問題集や漢字ドリルその他を発刊するケースのことです。

4.義務・高校教育以外の市場に進出する

小・中・高以外にも「国語」で何か事業を行うケースのことです。例えば、幼児向けの「50音表」「幼児ドリル」、高齢者向けの「漢字ドリル」や「百人一首のなぞり書き」なんてものが考えられるかもしれません。

5.海外市場に進出する

国語教育のノウハウを生かして海外進出するケースです。日本人学校などの在外日本人を対象にする、日本語を学びたい海外の人を対象にするなどやり方は様々。

6.教育とは関係ないジャンルに進出する

これは文字通りですね。マスコミ各社は本業以外に不動産収入のウエイトが大きいなど言われますが、教育業界の会社も本業以外にも多角的に進出しているケースが多いと思います。収入源が複数あることはとても大切なことです。

例えば教科書会社でシェアNO.1の東京書籍さんは、こんなお酒の本など書籍関係も発刊しています。  

日本酒手帳

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会社説明会でこういう質問をしてみよう②

さて、1~6について把握してもらった後は会社説明会で今後の事業について質問してみましょう。今後、どういう分野に力を入れていきたいと考えているのか、具体的に何年スパンでどれだけの売上規模を目指しているのかなど詳細に聞くとグッド!

もちろん水面下で検討中の場合は、社外秘なので教えてもらえないかもしれませんが既に動き出している場合は教えてもらうことが出来ます。その内容を聞いて、見通しがあるのか、先見性があるのか判断すると良いと思います。また縁あって入社したらその事業を任されるメンバーになるかもしれませんから、知っておくことは大切です。

もし既に新規事業を動き出している場合は、その課題と今後の見通しなどを質問してみましょう。

これらに対して学生を納得させる返答ができない会社は、今は安定していても将来不安だと考えられます。繰り返しになりますが、少子化による国内市場規模の縮小は確定的です。その対処を現時点でしていない、又、する予定のない会社が今後生き残れるかという厳しいと思います。

少しでも参考になれば幸いだわ。

ほな、さいなら。

こちらもどうぞ。 

www.ryosaka.com

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陵坂も就職活動当時はこういう本を何冊か買いました。

マイナビ2019オフィシャル就活BOOK 内定獲得のメソッド 就職活動がまるごとわかる本 いつ? どこで? なにをする?

マイナビ2019オフィシャル就活BOOK 内定獲得のメソッド 就職活動がまるごとわかる本 いつ? どこで? なにをする?