どうも、りょうさかさんです。
銀座の泰明小学校のアルマーニの制服(標準服)の件について話題になっていますね。
正直言ってしょーもない話題なので言及するのは止めようと思ったのですが、なんか話題の仕方に疑問を感じる部分もあるので取り上げようと思います。
こういう時に一緒に乗っかって泰明小学校を叩く方がイージーなんですが、残念ながらそういう内容ではありません。
私のスタンスは、学校の判断には不支持だけど外野が叩くほどのことじゃない、教育の逆選別と批判するなら中央区に住みたくても住めない時点で選別されてるでしょ、というもの。
問題となった記事の発端はこの記事。
私がどうしてこういう考えなのか説明する前に前提の情報を共有しておきましょう。
泰明小学校の立地
泰明小学校は中央区のどこからでも就学できる特認校です。
中央区立泰明小学校は東京都中央区銀座にある公立小学校。入学条件を受け入れた銀座在住者と学区外の在中央区の希望者が抽選で就学できる特認校である。中央区民には「少人数教育の超名門小学校」として知られる。
東京都在住の方はなんとなく位置がわかると思いますが他県の方はイメージしにくいかもしれませんのでグーグルMAPで泰明小学校と検索することをおススメします。
有楽町駅からすぐの立地で、宝塚劇場、帝国ホテルなどが近くにあることからかなり良い立地というか、地価がお高い場所にあることがわかると思います。よくこんなところに公立小学校があるよね、と思う場所です。
銀座の土地代の平均は、
平均2156万8125円/m2(2017年[平成29年])
坪単価7129万9586円/坪 となっています。
(引用)銀座の地価・坪単価
ちなみに同じサイト引用させていただくとから中央区全体の平均は
664万8195円/m2(2017年[平成29年])
坪単価2197万7506円/坪 地価ランキング1 位 /1733市町村
となっています。金額が凄すぎてピンとこない(笑)。
ここに子どもを通わすためには中央区に住んでいないといけないのですが…。
子ども連れの夫婦が住むのは2LDKくらいからかなあと思うのですが、中央区2LDKの家賃平均は24.51万円です(ホームズより)。まあ、これについて一社の情報だけしか調べてないので実際にはある程度前後するでしょうし、平均ですから安いところ、高いところ色々あると思います。家賃だけで年間約294万円支払って、そのうえ管理費や光熱費、衣食住を支払うことができる人だけが住めて、通わせることができる。それが中央区立泰明小学校なわけです。
制服(標準服)の費用は高いのか
元記事では全て購入すると9万円。でも制服の購入として必須なのは4万円と言われています。でも、それが高いのかどうかというと決めるのは陵坂じゃないですよね。高いかどうか決めるのは通わせる保護者の方です。
前述のように泰明小学校に通わせることのできる保護者の方はそうとうの収入をお持ちの方か、昔から周辺に住んでいて、とてつもなく高い固定資産税を払うことの出来るお方です。でも、その人たちが何にどれくらいを払うのが適切だと考えるかはその人達次第のはずです。
「収入が多いんだからこんな高くて平気でしょ」と外野が言うのも違うのと同様に、通わせもしない外野が「高すぎるぞゴラア!」と叩くのも違うと思います。
発端となった記事を見てみるとこの価格に対してクレームが入っており、その件数については明示されていませんが数件のようです。
ところが、新しい服が公表された後の10月になると、何件かの苦情が保護者から区教委に寄せられた。(中略)伊藤課長は「校長を中心に説明や意見をかわしながら決定のプロセスをすすめてきたと思っていた。だが、数件とはいえ、(苦情が)出てきたのはそこまでのプロセスでは、十分に意見を交わしていなかったのだと認識した。教育委員会としてとった(学校との)距離感に反省点がある」と話す。
じゃあ、数件程度だから無視してよいのかという話になりますよね。こういうクレームは普通に考えれば教育委員会までクレームを上げる人は不満を感じている人の中の一部だと考えられますよね。となるともっと多くの方が不満を感じていると捉えてよいと思いますがその数が10程度なんか、もっと遥かに多いのかはわかりません。
報道されてはいませんが、一方で「アルマーニで良いじゃん」と賛成している保護者の方もいるかもしれません。そういう両方の保護者の意見を尊重しながら修正してもらえれば良い話なんじゃないでしょうか。
教育の平等なんてない。すでにある「逆選抜」
発端となった記事にはこういう文章があります。
高額な標準服は、それがハードルになって入学を阻む、「逆選抜」を引き起こす危険性もある。
でもこれって前述のように標準服以前に家賃で選抜されてるよね、という事実を無視していると思います。そして、こんな標準服の問題(失礼!)よりももっと教育的内容で平等じゃないことってあるよね。なぜそっちは学校や地域の特色ってことでオッケーなの?
*ちなみに金融用語の「逆選抜」の意味とは違う使い方ですよね? 今回の記事では引用元の文脈に従って使用したいと思います。
逆選抜(ぎゃくせんばつ)とは情報の非対称性が存在する市場において発生する市場の失敗のこと。情報の非対称性がある市場では、情報をもたないものの無知に付け込み情報を持つものが都合の悪い情報を隠してサービスを提供しようとするインセンティブが働く。
(引用)逆選抜とは
例えば東京都では…。
渋谷区の公立小・中学校では全児童・生徒分のタブレット端末が導入されました。
新宿区でも公立小・中学校に2600台のタブレット端末を導入されました。
かたや校内に電子黒板などが3台くらいしかないところもあります。地方によっては電子黒板、タブレット以前の環境も多いはず。都内でも、県外でも教育環境の差ってとてつもなくあるよね。
本当?って思う方はこちらをどうぞ。
ICT を活用し、児童生徒の能力の育成、教員の授業力の向上を目指す – 新宿区 - Microsoft for Business
港区、目黒区の公立小学校では小学校1年生~6年生においてすでに外国語(英語)の授業が行われています。普通の公立は移行措置で来年から小学校3年生で導入だよ。これも凄い差だよね。
(参考)都中英研の資料にて「(港区の)小学校は、平成19年度から全校、第1〜6の全学年で、週2時間の「国際科」の授業を実施」とある。
(目黒区はインターネット上でソースが出てこなかった…。)
収入で選抜されてるよね
先ほど紹介したのは全て公立小学校です。私立じゃないのよ。はい、じゃあこの渋谷区、新宿区、港区、目黒区って簡単に住もうと思って住めるところでしょうか。違うでしょ。
このあたりって国内でもとっても地価が高くて家賃が高いところだよね。これって家賃を払える・払えない、つまり収入で逆選抜されているんじゃないの?
英語の教育受けさせたい、タブレット使った授業受けさせたいと思って気楽に引っ越しできないでしょ。じゃあ、これらの地区の取り組みをやめさせるような足を引っ張る考えより、他の地域でも同じように取り組んでほしいって思いませんか?
「逆選抜」が問題っていう人達は制服(標準服)なんかよりこれらの方に文句言った方が良いよ。
で、これってもっと考えを進めると幼児教育無償化の話や塾代などのバウチャー制度なんかにも繋がる話のはず。幼児教育も塾代も可処分所得で教育の差が生まれる場面だよね。
この標準服に対して「逆選抜」を理由に文句を言う人は皆、これらに対しても同様の問題意識をもって欲しいなと思います。陵坂は正直、こっちの方がよっぽど解決すべき問題だと思っています。
ほな、さいなら。
こちらもどうぞ。