どうも!りょうさかさんです。
わたしは、よく娘に絵本の読み聞かせをしています。
最近は娘の方から持ってきて「読んで」とお願いされることも多くなってきました。
そんな我が家の絵本レパートリーの中に「白雪姫」があります。
定番ですよね。
段々読み込むにつれて女王・継母(ままはは)へのイメージが変わってきました。
今日はそんな話です。
いわゆるネタ回です。
白雪姫ファンもネタだと踏まえて読んでね。いつも大真面目な「教育」のお話しなのでたまにはこういう記事も。
*注意:ディズニーアニメの「白雪姫」や映画「マレフィセント」共に見ていないし、それ以外の絵本を読んだこともありません。手元の絵本しか情報を持っていないので「元のグリム童話はこういう話です」みたいなマジツッコミしないで、心の中でツッコミながら楽しんで下さいね
どの白雪姫か
まず「白雪姫」と言っても色々な形式の絵本があります。
おそらく大きく話に違いはないと思いますが、りょうさかさんが気になった些細なポイントを他の絵本で拾っている可能性もあります。
そこでどの白雪姫の絵本かについては指定させて頂きます。
りょうさかさん家で読んでいる「白雪姫」はうさぎ出版さんのアニメーションイラストを使ったものです。
X-MENのサイクロプスみたいな服装というか、顔まで覆う「もじもじくん」みたいな全身タイツをしている女王が出てくるやつです。
特徴的なファッションについては、もしかすると女王としての正装の可能性が…。
後日談があれば、白雪姫が王子の城で同じ全身タイツを着ている姿を見ることができるはず。
1分でわかる白雪姫のストーリー
というわけで「白雪姫(うさぎ出版版)」のストーリーを紹介。
白雪姫の父は亡くなり、魔法の力を持つ継母の女王と暮らしている。
女王は、世界で一番美しい自分が大好きで、頻繁に魔法の鏡で確認している。
女王は、魔法の鏡から白雪姫が女王より美しくなったことを知らされる。
白雪姫、は歌っているところを王子に見つかり恋に落ちる。
その場面を女王は目撃する。
女王は狩人に白雪姫の殺人を依頼、証拠に心臓を持ってくるように要求する。
狩人に逃がしてもらった白雪姫は、7人の小人と楽しく暮らす。
女王がいつものように魔法の鏡に尋ねると白雪姫が生きていることがわかる。
女王はおばあさんに変身し毒リンゴを作る。
女王は、おばあさんの姿で白雪姫に会い、毒リンゴを食べさせる。
白雪姫はリンゴを食べて倒れる。
小人に追い詰められたおばあさん(女王)は、谷へ落ちてしまう(生死不明)。
森に訪れた王子が白雪姫に目覚めのキスをして白雪姫は嫁いでいく。
おしまい。
浮かび上がる4つの疑問
何度も何度も娘に読み聞かせていると女王の行動がおかしくて仕方なく見えてきました。
そこで沸々と湧き上がってきたのは以下に掲げる4点の疑問です。
- 狩人に殺人依頼をしたときになぜ証拠として心臓を要求するのか。
- 魔法で白雪姫をイマイチな外見の女性にしちゃえば良いのになぜしなかったのか。
- 毒リンゴの効果は深い眠りにつくレベル。どうして愛する人のキスで目覚めるという救済措置を付けたのか。
- 魔法を使える女王が7人の小人にどうして追い詰められるのか。
それぞれの疑問についてまず何がオカシイのか説明しましょう。
1.狩人に殺人依頼をしたときになぜ心臓を要求するのか
狩人は白雪姫を殺すことができずに逆に逃げるように促します。
そして、狩人は白雪姫の心臓の代わりに動物の心臓を女王に渡し、なんとか女王を騙すわけです。
さて、ここで疑問です。
もし本物の心臓を持ってこられても女王は「うん、コレコレ」って判断できたんでしょうか?
絶対無理でしょ。
生死を知りたければ、この後の行動にあるように魔法の鏡に自分の美的ランキングが1位に戻ったかどうかを確認する方が確実です。
わざわざ心臓を指定したのでは逆に騙してくれと言っているようなもの。
なぜこんな要求をしたのでしょうか。
2.魔法で白雪姫をイマイチな外見の女性にしちゃえば良いのになぜしなかったのか
そもそも別に白雪姫の命を取りにいかなくても良かったんです。
女王は自分の姿を変えることが出来る魔法使いなんですよ。
しかも魔法は自分だけではなく、鏡、リンゴと対象物にも影響を与えることが出来ています。
仮に魔法の鏡が外注だったとしても、リンゴに関しては後段で出てくるように、とても回りくどい呪いをかけているわけで女王なら他人の外見くらい変えることができちゃいそうです。
でも、しませんでした。なぜなのか。
3.毒リンゴの効果は深い眠りにつくレベル。どうして愛する人のキスで目覚めるという救済措置を付けたのか
この「毒リンゴ」は狩人による暗殺に失敗したことによって生じたフェイズ2です。
つまり通常であればより確実に殺しに行く場面ですよね。
だからこそ他人に頼らず自分自身で実行しようとおばあさんに変身したはず。
にも関わらず凶器である毒リンゴに殺傷力を持たせなかった。
しかも回りくどい救済措置まで用意している。
こんな細かく魔法の条件を指定できる女王は只者ではありません。
「HUNTER×HUNTER」なら確実に旅団クラスの念使いですよね。
そんな超A級魔法使いがどうしてそんな毒リンゴを用意したのか。
4.魔法を使える女王が7人の小人にどうして追い詰められるのか
女王は小人たちに追い詰められて、谷に落ちてしまいます。
絵本では「もりのなかをおいかけ、やまのうえまでおいつめたのです」程度の文章しかないので、具体的に何があったのかはわかりません。
ここは読者が想像力を働かせるしかありません。
しかし、いくら考えても女王ほどの超A級の魔法使いが小人7人程度に追い詰められるのか納得がいきません。
おばあさん状態を解除し、女王に戻れば小人よりもフィジカル面で優ることができるはずです。
しかし、現実には岩から足を踏み外し谷に落ち、その後二度と現れません。
つまり生死不明で物語から退場します。
どうしてこういう結末を迎えるのでしょうか。
りょうさかさんの推理
私は、この4つの疑問について考えました。
りょうさかさんが出した結論は、白雪姫を殺そう、殺そうとしている女王はその実、殺したくなかった。そして、屈折した愛を白雪姫に抱いていたというものです。
えっ? と驚かれましたか。
無理もありません、私もこの真実にたどり着いた時は全身がガクガクと震えました。
では、その推理をご説明しましょう。
女王の葛藤
第一の犯行である狩人を使った暗殺未遂事件は、前段のように狩人への逃げ道を用意しています。
また毒リンゴを食べさせた第二の犯行ではそもそも命を狙ってはいません。
また白雪姫と恋に落ちた王子の存在を知らないのであればまだしも、知っているにも関わらずあの救済措置を条件としています。
ここから考えられる女王の心の中は、殺したいけど殺したくないという人間らしい葛藤です。
死の報告を知りたいと思うと同時に死んでいて欲しくないと目を背ける心がある。
だから「心臓」を要求することで狩人に逃げ道を用意すると同時に自分を偽った。
このように考えられるでのではないでしょうか。
女王の人間性
次に女王の「人間性」について考えました。人間性について「何を大事にし」「何を大事にしないか」を明らかにすることは重要です。
「HUNTER×HUNTER」でもミトさんが「その人を知りたければ、その人が何に対して怒りを感じるかを知れ」とゴンに教えているから間違いないはずです。(HUNTER×HUNTER1巻より)
女王の「人間性」は、美に執着し、自己評価が高く、それを自分だけが知っていれば良いというものです。
魔法の鏡に毎日、美的ランキング世界一かを確認してもそれを喧伝しない。
そんな女王にとって白雪姫に美的ランキング世界一の座を奪われる屈辱はいかほどだったのでしょうか。
しかし、この人間性によって女王が魔法を使って白雪姫をイマイチな外見にしなかった理由が見えてきそうです。
女王は美を愛し、その愛ゆえに血は繋がっていないとはいえ残った唯一の家族を殺そうとしました。
そこまで思いつめたにも関わらず白雪姫を残念な外見にしなかった理由。
それは、白雪姫の「美しさ」を大事に思っていたからです。
それが愛なのかリスペクトなのかはわかりません。
しかし、その「美」を自分の手によって台無しにしてしまうことは、美に執着をした自分自身をも否定することに繋がるからではないでしょうか。
つまり、女王は美的ランキング1位に返り咲きたいが、白雪姫の美を毀損したくなかった。
毒リンゴの謎
前段の人間性は毒リンゴを用意した理由についても繋がる部分だと考えました。
作中の表記によれば「あき、ふゆ、はる」と少なくとも9か月は眠り続けています。
しかし、その健康状態はやつれることなく美しいままです。
やはり白雪姫の美を大事にしていたことがわかります。
そして、結果的に都合良く王子が、わざわざ森に来てキスをしてハッピーエンドになるわけです。
なぜ王子がのこのこ一人で森を散策するのでしょうか?
ウサギ狩りをしていたわけでもなさそうです。たまたまでしょうか。
一番自然な発想は誰かが王子に伝えたというもの。
一つずつ可能性を検証してみたいと思います。
まず白雪姫が王子に手紙を書いた可能性はどうでしょうか?
本来は一番ありそうな想定なんですが白雪姫が「明日毒リンゴを食べるかもしれないから手紙書いとかなきゃ」と想像することは不可能です。
しかも白雪姫は女王から絶賛逃亡中という状況です。
逃亡中の居場所を教えて「キスしてね」という大胆な手紙に書くでしょうか。
また白雪姫自身が書いていたのであれば、もっと早く王子は会いに来るでしょう。
前述のように9か月以上のほったらかしは今のようにスマホがない時代でもダメな気がします。
そうなると白雪姫自身が書いたとは到底考えにくい。
小人・狩人などその他の登場人物はそもそも王子の存在、白雪姫と恋仲なことも知らないので手紙の出しようがありません。
手紙を出せる人物の条件は2つです。
- 白雪姫と王子が恋仲であることを知っている
- 白雪姫が毒リンゴによって眠りについたことを知っている
この2つを満たす人物について皆さんももうお気付きでしょう。
そうです。王子に白雪姫が寝ていることを知らせることの出来る人物。
それは女王以外に考えられないのです。
女王の最後
白雪姫の居場所を知らせたのが女王だとすると、女王の最後についても見方が変わってきます。
小人に追い詰められた時の女王が足を踏み外したのはわざとではないかということです。
白雪姫と王子の関係が成就したときに政治的障害となるのは女王の存在です。
白雪姫は実母を亡くし、王である父親を亡くし、継母と自分だけという状況。
白雪姫が王子と結婚する際にどちらの城に入るかという跡取り問題が生じる可能性があります。
白雪姫が出ていくことになれば残った城の後継者はいなくなります。
白雪姫は出ていきたいでしょうが、継母の手前「わたし、あっち行きますわー」と気軽に言えるでしょうか。
また継母である女王としても本心は「出ていけ小娘」と思っていたとしても最後の一族を簡単に追い出して良いのかどうか葛藤もあったはず。
貴族社会の世間体ってめちゃめちゃ窮屈でしょ(知らんけど)。
かといって白雪姫が残って婿養子に王子が来ることになれば白雪姫、王子、女王で暮らすことになります。
第一の犯行で暗殺未遂がばれている白雪姫・女王は共に一緒に暮らしたくはないでしょうし、そもそもそんな女王のいるお城に王子が婿養子に来てくれるとは思えません。
お淑やかな白雪姫も王子には「うちの継母、私の命狙ってくるからマジヤバいんだよねー」くらい告白するはずです。絶対王子の親族から反発あるよ。
継母がいなくなって、王子と白雪姫で今後の生き方を選択できるのが白雪姫にとって一番の幸せのはずです。
ここで思い出したいのは小人に追い詰められた時に女王はおばあさんの変身を解いていないことです。
つまり、毒リンゴを食べさせた新犯人が女王であることを白雪姫も小人たちも気付いていないんです。
女王はおばあさんに変身して毒リンゴを使うことで、女王であることを隠したまま白雪姫と王子が結ばれるように裏では画策し、そのまま全員の前から姿を消したとも考えれるわけです。
女王がわざと足を踏み外したのは城のことなど気にせず白雪姫に自分の人生を歩みなさいというメッセージだったのかもしれません。
この真実にたどり着いた時、女王の悲しみ、嫉妬、そして白雪姫への歪んだ愛を感じずにはいられませんでした。
まとめ
というわけで全ての謎は解けました。
私も書きながら後半、自分が何を言っているのかわからなくなってきましたが、ネタ記事なのでこの辺で筆を置きたいと思います。
それでは、また来週のこの時間にお会いしましょう。
ちなみに今これを読んでいます。
(追記)ツッコミ編を書いたよ。
絵本の考察記事はこちら⇒