どうも、教育関係会社員のりょうさかさんです。
さて、今回のお話しは「文脈」について。
学生さんも先生も保護者の方も「そんなこと知ってらあ」という単語ですよね。
もちろんそれを踏まえたうえで「改めて再確認しませんか」という意味で書いていきたいと思います。
「文脈」の意味とは
これには辞書を頼ってしまいましょう。
こういう当たり前のような単語もしっかり辞書で確認することも大事ですよね。
ぶん みゃく [0] 【文脈】
① 文における個々の語または個々の文の間の論理的な関係・続き具合。文の脈絡。コンテクスト。 「前後の-から意味を判断する」
② 一般に,すじみち・脈絡。また,ある事柄の背景や周辺の状況。
文脈の重要性
文脈がなぜ大事なのか。
それは辞書にもあるように「個々の語または個々の文の間の論理的な関係」が非常に重要な意味をもつからです。
あれ、なんかピンときませんか?
書籍、論文、会話。
日常的に触れる様々な言葉の一つ一つは、時に違った意味やニュアンスを帯びる場合があります。
例えば、関西出身の私に馴染み深い例を言えば「関西でアホは褒め言葉、バカは侮辱の言葉」というものがあります。(これも、まあ、人に寄る部分もありますが)
当たり前ですが「このアホ!!!!」と叫べば関西人も怒ります。
では、なぜ褒め言葉のように言われるかと言うと使われる文脈が「ほおお、お前アホやなあ(お前、おもろいこと考えたな)」だからです。
この「おもろい」という発想を高く評価する関西風土だから成立するわけです。
このあたりについては京都大学総長の書かれた「京大式おもろい勉強法」(山極寿一・朝日新書)を読んでいただけると良くご理解いただけるかと思います。
誰もその時の言葉の定義を示してくれない
論文や一部の書籍を除いて、通常は文中での言葉の「定義」を示すことはありません。
日常会話で自分の使う言葉の定義を説明しながら話す方を見かけることは、ありませんよね。
またおそらく日本語は曖昧な言葉でもなんとなく伝わるというか、ほとんど同じものをイメージすることが出来ます。
マジックワードの時にも書きましたが「国際化」と「グローバル化」の違いをキッチリ説明できる方は少ないかもしれませんが、なんとなく理解できる方は多いと思います。
だから私もこのブログを書く時はとても記事内の文章の表現・配列に気を使います。
できるだけ誤読がないようにしたいからです。
「文脈」とは言葉だけではない
この文脈とは別に言葉だけに限った話ではありません。
テレビで差別的な表現か否かで賛否に分かれることがありますが、これも同様の問題です。
例えば「顔を黒塗り」にすることが黒人への差別表現なのか否かは、その行為自体とは別にどういった流れでその行為が行われたかを抜きにして語ることは出来ません。
文脈が明らかな場合は賛否がわかれることは少ないです。
これは舞妓さんの「白塗り」を白人への差別表現だと言わないし、昔流行った「ガン黒ギャル」を黒人への差別表現だと言わないことからもわかると思います。
(ちなみにこの例では国内と海外の文脈の違いも抑える必要があります)
無用な言葉狩り論
前段ではわかりやすい例えが出来るので「行為」を例に挙げましたが、それは「言葉」も同様です。
ある特定の言葉が特定の文脈で使われた場合に差別表現になることがありますが、言葉自体にその意味はありません。
問題なのは使われ方、つまり文脈が問題なわけです。
ただこの文脈を気を付ける時に忘れがちなのは時に「誰がどう言ったか」という要素も文脈に含まれる点です。
あんまりこの例は本当は使いたくないんですが、とてもわかりやすのでこちらをどうぞ。
これも途中である言葉自体がセクハラか否か出てくるんですが、その単語自体に罪はないんです。
おそらく過去に放送禁止用語になった言葉等は、言葉自体に差別の文脈があったと思います。
一方で、そうでない言葉を言葉狩りしてもナンセンスなんですよね。
誰がどういう言い方をして、どの流れで使ったか
つまり「文脈」が大事なわけです。
人間誰しも完全じゃありません。使用者として文脈を誤ること、読む時に誤ること。
どちらもあることです。
文脈を気を付けて言葉を操っていきたいですね。
それでは、また。