どうも陵坂です。先日久しぶりに映画館で「オリエント急行殺人事件」を見てきました。
ミステリ好きなので当然アガサ・クリスティの原作も読んでいるのですが楽しめる映画でした。有名な小説ですし三谷幸喜さんのドラマ版もあったのでストーリーを知っている方も多いと思います。
あのラストには毎回考えさせられてしまいます。ポアロはどうすべきだったのか、あの推理で本当に良かったのかいつも考えてしまいます。
さて、私立大の破綻恐れの情報が新聞に載りましたね。
私立大・短大を運営する全国660法人のうち112法人(17%)は経営困難な状態にあることが日本私立学校振興・共済事業団(東京)の調査でわかった。
今回の報道は私立大ですが、国立大もいずれ報道されるようになるのではないでしょうか。このことについては「未来の年表(河合雅司)」を基に以前から紹介してきました。
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)
- 作者: 河合雅司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/06/14
- メディア: 新書
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2018 年大学が倒産へ
本書では「2018年に国立大学が倒産の危機へ」と書かれています。また日本の総人口は2053年つまり35年後には「総人口が9924万人となり、1億人を割り込む」とあります。
日本は大学の入学者はほとんど18歳。つまり高校卒業のタイミングしか入学しない現状では18歳人口の減少がダイレクトに大学の経営に響くわけです。
さて、こうなることは大学も国もわかっていたはずです。私立に限らず、国公立大学であっても学生の集めに躍起になっています。
この弊害は「特色ある教育」「大学入学者のレベル」が低下していくことだと言われています。
以前の記事でまとめたように高偏差値の大学の所在地が偏っています。
この記事でも書いたのですが地方大学の衰退と地域の衰退は関連します。地方出身の大学生の多くは大学の周辺もしくは関東周辺で就職してしまうケースが多いからです。残念ながら中々Uターンはしてくれないわけです。
地元の会社に労働し、消費活動をしてもらうためには地方にも大学が必要だというわけです。一方で、バカな大学がさらに増えるとの危惧もあります。
大学卒業を難しくするべき
高等教育無償化の話はこの私立大・国公立大学の経営破たんへの手当てだという見方も出来ます。前述のように大学数・選択肢の地域差がある現状では高等教育無償化が地域格差や所得格差の解決方法としてダイレクトに機能するとは思えません。
私自身の現時点の考えは以前から主張している通り、大学の卒業をもっと難しくするべきだという考えです。優れた人材、研究者が出てくるのであれば税金を投資しても国民の理解は得られるでしょう。
その上で社会人の学び直しとして大学入学をしやすくすること、高等教育無償化と地方から出てきた学生が地元に戻ることにメリットがあるような仕組みが必要だと思います。
日本の人口減少を踏まえた大きな枠組みでの発想が必要だと感じました。
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深く考えたい方はこういう本もあります。
大学大倒産時代 都会で消える大学、地方で伸びる大学 (朝日新書)
- 作者: 木村誠
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2017/08/10
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