どうも陵坂です。年末年始の休みのお陰で何度か小学校英語新教材に目を通しました。と言っても教員ではないので、わからない部分もあります。その辺を「疑問」という形で書き留めておこうと思います。皆さんの疑問と共通だったり、違うなという部分を感じていただければ幸いです。
音声はどうなるの?
公開されている情報から現在わからないのが音声ですよね。小学校英語は教員、ALTとのコミュニケーションも重要ですが、一方で教材をリスニングすることも重要です。
文科省のWEBサイトで公開された指導案から1つのユニットのリスニングスクリプトを見ることが出来ます。
新学習指導要領に対応した小学校外国語教育新教材について:文部科学省
パッと見では結構文章が長そうに見えますが実際の音声の聞きやすさ、スピードがどの程度かにも難易が左右されそうです。またこれが他のユニットでは少ないのか多いのかも教材全体の難易に影響を及ぼすので重要になります。
デジタル教材はどうなるの?
今回の記事で言うデジタル教材とはデジタル教科書や動画などの映像教材のことです。学校・教員用のダウンロードサイトがありますが一般には公開されていません。
「Hi! Frends」ではその単元に関連した映像教材の用意がありました。例えば「駅の構内を訪日外国人に案内するというシチュエーション」などです。文科省が配布する教材なのでデジタル教科書までは製作しないと思うのですが、動画などの映像教材は重要になります。
小学校英語新教材では「Let’s Watch and Think」という見出しで「映像を見て、○○から、わかったことや感じたことを発表し合おう」という文言があるので映像を見ることが授業構成の中にかなり組み込まれた教材であることがわかります。
よく言われる「学ぶとは真似ぶ」という表現もありますが、実際のやり取りやシチュエーションを動画で理解してから取り組むのとそうでないのとでは大きな差があります。映像のクオリティと先生側としては使い勝手、児童・保護者にとってはわかりやすいかどうかが気になりますね。
小・中の連携について
英語教育は小学校で始まって完結するのではなく、他の教科とも同じように中学校・高校と積み重ねていくものです。こちらの記事でも文科省としては「小・中の連携」を意識しているのではないかと述べました。
小学校側としては送り出して「はい終わり」でも児童・保護者にとっては通過点の一つに過ぎませんよね。中学校・高校がどういう授業内容で、どういう出口(受験)になるのかは大事な視点です。
新教材の「We Can!」の2では最終ユニット9において「中学校生活・部活動」というタイトルで中学校と繋がるように意図して作られています。中学校の部活や先生、小学校と中学校の違いについて触れ、最後は中学校生活に向けた思いを発表する構成になっています。
一方で今後こういったカリキュラム・教材を経た生徒を受け入れる中学校側にも課題があります。
小学校でどういう授業をしてきて、どういう要素を身に着けていて、どこが足りないのか把握する必要があります。おそらくこの2年間は特に小学校での英語教育の取り組み度合に差が出る期間だと想像されます。なぜなら移行措置の授業時間が最低限度の決まりはありますが、それ以上の時間取り組んでいる小学校あるからです。
つまり小学校毎の既習内容も違うし、その定着度が生徒毎に違うわけです。今までも中学校の先生方は入学時にテストをすることでレベルの差を把握していたでしょうか、その分布の幅がより広くなるような気がします。そうなると中1の授業の始め方も変わりますよね。
さて、思いつくままに疑問・課題を書かせていただきました。音声や映像などは2018年4月までには明らかになるでしょうし、小・中の連携の課題はまだまだこれから。先生方の奮起に期待したいと思います。
「小学校英語」「We Can」についてはこちらも参考にどうぞ。
教員の方はこういう本を参考にするんでしょうね。
小学校で英語を教えるためのミニマム・エッセンシャルズ 小学校外国語科内容論
- 作者: 酒井英樹,滝沢雄一,亘理陽一
- 出版社/メーカー: 三省堂
- 発売日: 2017/06/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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