りょうさかさんと

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【解説】メタ認知と非認知能力とコンピテンシー(2)


「メタ認知」に続いて解説するのは「非認知能力」についてです。

非認知能力とは

そもそも非認知能力とはなんなのでしょうか。

「学力の経済学」(中室牧子)から引用させていただきます。 

「学力」の経済学

「学力」の経済学

 

これは、IQや学力テストで計測される認知能力とは違い、「忍耐力がある」とか、「社会性がある」とか、「意欲的である」といった、人間の気質や性格的な特徴のようなものを指します。

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(引用)人生の成功を左右する「非認知能力」とは 中室牧子氏 | 人材・組織開発の最新記事(コラム・調査など) | リクルートマネジメントソリューションズ

ペリー幼稚園プログラム

この非認知能力についてはペリー幼稚園プログラムという実験によってエビデンスが示されています。

詳しくは本書をお読みいただきたいのですが認知能力(IQ)には短期的な影響しかなかったものの、学歴、年収など面で大きな影響があったことがわかっています。

 (参考)ペリー・プレスクール・プロジェクト - Wikipedia

本書では続いて重要な非認知能力として「自制心」「やりぬく力」を取り上げており、成人後まで可鍛性があるものも少なくない、とし鍛え方なども紹介されています。ぜひ本書をご参照ください。

しつけとの因果関係

さて、非認知能力がこのように社会生活において収入などの結果に結びつくことがわかっています。

また「しつけ」が子どもの勤勉性に因果関係をもつこともエビデンスで明らかになっています。

幼児教育の重要性を再確認すると共に鍛えることが出来るわけですから、既にお子さんが成長していても意識させたいものです。

幼児教育・幼稚園無償化といった議論が出てくるのも、人口減少によるGDPの減少を抑えるために幼少期の教育に投資しようという考えは納得がいきます。

幼児教育の充実によってその子どもたちの収入が上がれば当然、消費活動や納税に貢献するわけで社会的リターンが望めるわけですからね。

学校教育で身につけられる 

そして、これまでの記事で私が学校教育を重視しているのはこの為です。

不登校の記事では学校に行かなくても良いと同時に学校教育は重要だという趣旨のことを書きました。

非認知能力を身につけるのに効率的な教育の場が学校教育だと私は考えているからです。

また学力についての記事でも触れましたが、学力がテストの点だけでなく、学習態度などと関連するのも将来重要で学校教育で身につける目標と設定されていることも関連性が見えてきます。

このように学力の定義とも繋がるのもお解りいただけるのではないでしょうか。

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