りょうさかさんと

教育業界にいる陵坂さんが教育・子育て・DWEなどについて書くブログ

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私立小学校・中学校に入れる気がおきない2つの理由


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どうも、りょうさかさんです。

「私立小学校・中学校に入れる気がおきない」という自分の考えをまとめたいと思います。

私立小学校・中学校入試について考えるキッカケや材料の一つとして受け取っていただければ幸いです。

私立小学校・中学校に入れる気がおきない 

冒頭にハッキリ書いておきますが、私立小・中学校受験を否定するものではありません。

高校・大学という学歴を考えた時に有効な選択肢だと思いますし、様々なメリットが存在します。

あくまで「自分がシックリこないな」という考えをまとめておきたいと思って書きます。

では、どうして私立小・中学校受験について乗り気にならないかというと…

親の価値観の押しつけ

になってしまわないかを気にしてしまうからです。

おそらく私立小・中学校受験をした方、検討中の方は「親の価値観の押しつけ」であったとしても「子どものために!」と苦渋の決断で割りきっている方も多いのではないでしょうか。

それでもわたしが「親の価値観の押しつけ」を嫌うかというと以下の2つの理由があります。

  1. 時代の変化が激しい
  2. 自分で考える子どもになってほしい

この2つの理由について簡単に説明しますね。

理由1時代の変化が激しい

近年、ますます時代の変化が激しいと感じます。

この点については多くの方が共感してくれるのではないでしょうか。

そんな時代を子どもは生きていくわけです。

わたしが特に自分が子どもの頃と比べて、大きく変わると感じているものが3つあります。

  1. テクノロジーの変化
  2. 人口の変化
  3. 寿命の変化

こんな変化の大きい時代にわたしの経験や価値観がどれだけ有効なのかと考えたわけです。

テクノロジーの変化

「テクノロジーの変化」はこの10年でもガラケーがスマホに変わるなど劇的なものがいくつもありました。

5Gも始まり、この流れはおそらく加速していくと言われています。

「Society5.0」という言葉も政府や文科省の資料でよく見かけることからも「テクノロジーの変化」は方向性としては間違いないでしょう。 

人口の変化

日本は絶賛少子高齢化中です。

しかし、少子高齢化が進むことが子どものライフプランの中で具体的にどのような変化が起きるのか考えてみたことはありますか?

なかなか難しいと思うので、考える前に内閣府の「平成30年版高齢社会白書」のグラフを見て、一緒に考えてみませんか?

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(引用)1 高齢化の現状と将来像|平成30年版高齢社会白書(全体版) - 内閣府

今、幼稚園児の娘が大学卒業し、社会にでる年齢は約20年後の2040年頃です。

2040年の日本の人口は1億1,000万人。

その10年後、2050年の日本の人口は1億200万人。

さらに10年後、2060年の日本の人口は9,200万人。

しかもグラフを見ると15~64歳という「消費をする年齢層」がドンドン圧縮されています。

当然、国内の人口=顧客が減り続けるわけですから景気も良いとは思いません。

今の子ども達が社会人となって働く日本はこれだけ苛烈なわけです。

「じゃあ、日本が厳しければ海外で働けば良いじゃないか!」というと海外も人口減少を辿っています。

出生率の低下により、世界の人口は2064年にピーク(約97億人)を迎えた後、今世紀末には約88億人にまで減少するという予測を、米ワシントン大学の研究チームが発表した。研究者たちは、社会に「仰天するほどの」衝撃をもたらすことになる出生率の低下に対して、世界は準備不足だと指摘している。

出生率の低下は、今世紀末までにほぼ全ての国が人口減少に直面する可能性があることを意味している。

そしてスペインや日本を含む23カ国では、2100年までに人口が半減すると予測されている。

(引用)世界の出生率、驚異的な低下 23カ国で今世紀末までに人口半減=米大学予測 - BBCニュース

わたしはこの情報から「日本の経済圏だけで生きていくのは厳しい。かといって海外のどこかに移住してその国の経済圏だけで暮らすこともまた厳しい」と考えました。

寿命の変化

少子高齢化にばかり目がいきがちですが、わたしたちの「寿命の変化」も忘れてはならない要素です。

「LIFE SHIFT」にはこのような文章があります。

2007年にアメリカやカナダ、イタリア、フランスで生まれた子どもの50%は、少なくとも104歳まで生きる見通しだ。日本の子どもにいたっては、なんと107歳まで生きる確率が50%ある。

(引用)「LIFE SHIFT100年時代の人生の戦略」(リンダ・グラットン/東洋経済新報社)Kindle版NO.555より

「2007年生まれ」、つまり2020年現在中学生以下の子どもの半数が100歳以上の人生を歩むということです。

しかも「少子高齢化」の影響をもろに受け、日本の人口1億人を割った時代を生きるんです。

これら3点を考慮した時、わたしはわたしが生きていく中でなんとなく刷り込まれた「生き方のイメージ」なんてものが子どもの為になるとは自信をもって断言できないんです。

その時代を生きる子どもに自分で考えてもらうしかない。

そして、これがわたしの教育観とも共通するわけです。

理由2自分で考える子どもになってほしい

ここで一つ疑問に思うかもしれません。

「自分で考える子どもになってほしい」と願うことが「私立受験」と相反するのか? という点です。

わたしが大好きな落合陽一さんのインタビューにこんなコメントがありました。

僕は小・中学校など私立受験することは、さほど大切なことだと思いません。わざわざそこに最適化された子どもをつくってもしょうがない。そもそも受験というのは、親の希望が強いですからね。そして受験自体が目的になってしまう。そうなると結局、親の希望の大学に入ることが最終目的になってしまい、ひいては他人が定めた目標をクリアすることが人生になってしまう。

(引用)たまごクラブNo.303(2019年1月号)(ベネッセコーポレーション)

つまり「親の希望が強い受験をさせることで、子どもが自分の目的を決めることに消極的にならないか」という懸念があるわけです。

私立小学校・中学校の是非ではなく、子ども自身が決めた目的なのかどうかが大切だということです。

逆に言えば、子どもから私立小学校・中学校受験をしたいと言い出したら、受験のサポートを全力でしたいと思います。

私立小学校・中学校に入れる気がおきない2つの理由のまとめ

最後に「私立小学校・中学校に入れる気がおきない2つの理由」を4行にまとめたいと思います。

  1. わたしの教育観は、「自分で考えられる子どもになって欲しい」というもの。
  2. 私立小・中受験をさせることは、わたしの価値観(目的)を押し付けることになる。
  3. 価値観の押しつけは、子どもから自分で目的を考えることを奪う可能性がある。
  4. 自分で考えることができないまま大人になると、変化の大きい時代を生き抜くことがさらに困難になるのではないか。

最後にもう一度ハッキリ書いておきますが、私立小・中学校受験を否定するものではありません。

わたしは仕事柄、私立小学校・中学校についても訪問することがあり、素晴らしい教育をされていることを知っています。

その上で「現時点でこんな風に考えたよ」 というわけです。

娘はようやく4歳、何年後かには考えが変わってブログで「中学受験じゃあ!」と言っているかもしれません。

私立小学校・中学校入試について考えるキッカケや材料の一つとして受け取っていただければ幸いです。

それでは、また。 

私立中学受験が気になる方は、「二月の勝者」がオススメです。

わたしはメチャクチャ面白くて一気読みしましたよ。ドラマ化も今から楽しみ!