どうも、りょうさかさんです。
今回は「パパは脳研究者」(池谷裕二/扶桑社)についてご紹介です。
タイトル通り脳研究者の方が、実際の子育ての体験談とエビデンスの混ざった書籍になっています。
同じ子どもの親として共感しつつ、「そうだったのか!」と気付いたり参考になるところ盛り沢山の本ですよ。
「パパは脳研究」とは
「パパは脳研究者」の作者池谷裕二先生は、1970年静岡県生まれの東京大学薬学部教授。
専門は神経生理学で、脳の健康やAIチップの脳移植などの研究をされています。
本書では0歳から4歳になるまでの娘さんの成長に触れるコラムのような内容です。
そこはもちろん脳研究のプロなので、親として感覚・経験談と脳の発達についてエビデンスをキッチリ分けて書いてくれています。
今回は、わたしが特に印象に残った2点について書いていきます。
それは「子どもへの声かけ」と「インプットよりアウトプット」です。
子どもへの声かけ
わたしは以前から子どもへの関わり方として「声かけ」をどうすべきかというのがテーマでした。
子どもを一人の人間として認め、わたしの考えを伝えるためには「言葉」しかないからです。
特に動機づけになる「ほめる」についてこれまでも色々な本を参考にしてきました。
本書でも「ほめる」について書かれています。
自発的な行為について「行為」をほめると「認知的不協和」がおきて、その行為をやめてしまうという事例です。
自分の内部から「やる気」が沸き出している状態です。内発的動機には根拠がありません。好きに理由などないのです。
それなのに周りの大人は、ついついほめてしまいます。すると「絵を描くのが好き」ではなく「ほめられたいから描いている」と、自分の行動の意味が変化してしまいます。
単にほめられたいだけなら、ほかのことでもいいわけです。ですから、「絵を描く」という手段を選ばなくなります。
(引用)「パパは脳研究者」(池谷裕二/扶桑社)p.301
では、どう褒めるのかというと…
上の絵を描く例でいえば、「お父さんは、この絵が好きだな」(同書p.284)という例が紹介されています。
つまり「成果」そのものを一緒に喜ぶことが大切だということです。
またお片付けをしない場合は、親が楽しそうに片付けをしている姿を見せて「一緒にやろう」と声かけをする例が紹介されています。
まあ、なかなか現実的には難しい場面も多いですよね…。
また合わせて「肯定的な言葉」を使うことも示されています。
できるだけ肯定的な言葉を使うことで、当人の自制心を通じて「積極的に我慢する」ように導くことが大切です。
(引用)「パパは脳研究者」(池谷裕二/扶桑社)p.301
具体的には 「まだ遊びたい」と言われたら「あと一回遊んだら片付けよう」というような声かけです。
わたしも出来る限り意識していますが、ついつい「大人の都合」で押し付けるようなことになりがち…。
「何時までに寝てほしい」「何時に動物園につきたい」「幼稚園に遅れる」とかわたしが気に病むのは結局、大人の都合なんですよね。
子どもには「子どもの都合」があるわけですから、丁寧に理由を話して肯定的な提案をしていくようにしたいと思いました。
脳が成長するのは「入力」より「出力」
著者の池谷先生のお子さんは、3歳の誕生日から1日も欠かさずに日記を書いているそうです。
それは「読む」よりも「書く」ほうが良いからだそうです。
脳科学の点からも、読んだり聞いたりする「入力」より、しゃべったり書いたりする「出力」の方が重要だということは、ハッキリしています。
(引用)「パパは脳研究者」(池谷裕二/扶桑社)p.208
つまりインプットするためには、アウトプットすることが大切だということです。
以前、紹介した「外国語学習の科学」(白井恭弘)でも「頭の中で返答を考える(リハーサル)ことが効果がある」という内容がありました。
これも言い換えれば、アウトプットをしようとしているということですよね。
わたしは、子どもの教育では「とにかく色々な経験をさせてあげたい」「でも書くや計算は早すぎかな」と考えていました。
でも良く考えれば、これって「インプット」に偏り過ぎているんですよね。
本書を読んで以降、娘とホワイトボードに落書きをする際にひらがなを書いてみたり、指で簡単な足し算をしたり始めました。
ちなみにりょうさかさん家の4歳になった娘は、ようやくひらがなが読めるかどうか、というところなので「3歳で日記って凄いなー」と思いましたw
でも、思い出すとDWEをしているおかげで、わたしの娘も3歳の時にはアルファベットを読んだり書いたり出来ていたんです。
ついつい出来ることは「当たり前」になってしまって、出来ていないことばかり気にしてしまいがちになります。
すでに出来ることを認めてあげて、子ども自身が興味のあることを軸に「インプット」と「アウトプット」を促していきたいと考えています。
「パパは脳研究者」の感想まとめ
今回は、「パパは脳研究者」を読んで特に印象に残った2点についてまとめました。
本書にはここで紹介した以外にも
- 子育てをすることで男性もオキシトシン(愛情を注ぐためのホルモン)がでる
- 人は記憶力が曖昧だからこそ、モノを認識できる
- 多種多様な経験を通じて違いが判る能力を育むこと
など科学的背景があって、面白く参考になる内容がたくさんありますよ!
女性は妊娠中からオキシトシンというホルモンによって「敵・味方」の線引きがシビアになるそうです。
男性は、産後のフォローを疎かにして敵認定されないようにしてくださいね。
また既にお子さんをお持ちの方は、時系列で描かれる娘さんの成長に「あった!あった!」と懐かしみながら、一方で脳について「なるほどぉ!」と膝をうちたくながら知識が得られる本になっています。
もちろん子育ての「楽しさ!」も伝わってくるので、そろそろ子どもが欲しいなとお考えの方にもオススメです。
良かったら、ぜひ読んでみてくださいね。
それでは、また。