陵坂と考察と

教育関係会社員が教育を中心に考えたこと、思ったことを書きます。

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大学入学共通テストの試行問題はなんとなくでは解けない

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どうも陵坂です。平成30年3月14日、大学入試センターがセンター試験の後継として平成32年度より導入する「大学入学共通テスト」について問題などを公表しました。新聞でも報道されたのでご覧になった方も多いと思います。

問題はマークシート形式ですが、センター試験とは少し毛色の違う出題パターンになっています。

大学新テスト「英語」試行調査 情報分析力を一層重視 - 産経ニュース

今回は大学入学共通テストの試行問題を思考してみようと思います

(*)問題はそれぞれこちらから引用させていただきます。

平成29年度試行調査 問題、正解表、解答用紙等|大学入試センター

国語の場合

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このあとに会話文が出てきて問題となります。なかなかユニークな形式の問題ですよね。

つまり生徒会規約を理解し、その上での会話の文脈も把握した上で問題に答えるという実生活の場面にも即した能力を測ることが目的とした問題ということが窺えます。

「問題のねらい」においても下記のように説明されています。

現代の社会生活で必要とされる実用的な文章のうち,高校生にとって身近な「生徒会規約(部活動規約)」等を題材としている。それらを踏まえて話し合う言語活動の場を設定し,複数の資料を用いることにより,テクストを場面の中で的確に読み取る力,及び設問中の条件として示された目的等に応じて思考したことを表現する力を問う。

(引用)国語‐問題のねらい、主に問いたい資質・能力及び小問正答率(速報値)等

確かに「作者の気持ち」なんかを察するよりもより国語力が求められる問題なのかもしれません。 

数学の場合

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これもまた単純に一次関数、二次関数を用いるだけじゃないですよね。クラスTシャツを作るという学生生活で行われるものを問題として扱っています。アンケートを行ってその集計をまとめる時という日々の生活の中に「数学」が活用できることを問題からも示しています。 

物理の場合

さあ、国語・数学と日常生活に関連した問題がありました。物理はどうなんでしょうか。

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さすがに国語、数学ほどではありませんが物理で学んだことを日常生活の自動車と結びつけた問題にしています。また「探求活動」を行うというフレーズも特筆すべき部分だと思います。 

英語の場合

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はい、食〇ログでましたーー

インターネットのレビューからどう適切に読み取るかという問題です。

産経新聞では河合塾さんが「問題文の語彙は平易、一方で複数の情報を読み取り比較する力が問われる」という主旨のコメントを出しています。

ちなみにこちらも「問題の狙い」では下記のことが述べられています。

インターネット上の利用者の評価情報やイラストを参考に場面にふさわしい店を推測させることを通じて,平易な英語で書かれた短い説明文の概要や要点を捉えたり,情報を事実と意見に整理する力を問う。

(引用)英語‐問題のねらい、主に問いたい資質・能力及び小問正答率(速報値)等

また英語では文法や発音問題がなくなったことも特筆すべき点ですね。

なんとなく出来るでは対応できない。

この問題を見て陵坂が感じたことは「なんとなく出来るでは対応できない」ということです。

新井紀子さんの書籍「AI vs 教科書が読めない子どもたち」を読んでいても感じことですが、なんとなく雰囲気で理解した気になったり、文章自体を読んでいる学生が一定いるという事実です。 

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

 

例えば、数学の問題を例に上げるとわかりやすいんですが結構、問題文に出てきた数字を組み合わせて「足したり引いたり割ったり」もしくは「闇雲に公式に当てはめて」計算し、出てきた答えと選択肢が同じだったら、それをマークするという方法で解いている生徒が多いんですよね。

これって本質的に公式の意味を理解していたらしないんです。でも、公式だけ覚えていて、問題演習の経験値からたぶんこの公式使うかなって感じで数字を当てはめてしまう。これでも解ける問題は解けるんですが、じゃあ、それが本当に理解したことと言えるのかな、というと違うわけです。

 

物理、生物など理科では次期指導要領改訂から理系は必修で取り組むことになる「探求活動」に関連した問題の出題のされ方がされています。どうしても専門的な理系分野では日常生活と絡めづらいので授業、そして、理系なら大学での研究に繋がる「探求活動」と絡めた出題というわけです。

 

英語において文法や発音問題がなくなったことも同様の観点からだと思います。機械的にイディオムの形だけを覚えて空欄に入れることが英語を使えることを測る正確な方法なのかを突き付けているのではないでしょうか。

英語が使えることって発音記号を書けることじゃなくて、日常の中で活用できるかどうかだよね、って変わってきたように思います。

こういう変化は一見、子ども達の負担に思えますが、実は喜ばしいことです。なぜならこの問題を解くために身に付けた力がそのまま実生活で役立つ可能性が高いからです。

今までの教育で特に英語の精読は、英語の長文を読む力が中心でした。その力は論文を読み書きする研究者、海外と契約書をやり取りする会社員などにとってはとても大切でしたが、それ以外の人にとっては話せない英語教育に過ぎませんでした。

この大学新テストの問題が変わったことによって、英語教育のポイントが従来のものから日常的に使うことに転換することになれば、子ども達の人生という長いスパンで考えた時にはとっても良いことのように感じます。

ただ従来の指導法から転換を迫られる高校の先生や予備校・塾の先生は反対かもしれませんね。

 

どの教科も「なんとなくの理解」では解けない、本質を理解しているかが試される傾向になった。そういうメッセージとして陵坂は受け取りました。あなたはどう思いましたか?

ほな、さいなら。

www.ryosaka.com

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