陵坂と考察と

教育関係会社員が教育を中心に考えたこと、思ったことを書きます。

貯金・保険・投資の成り立ちから「貯蓄市場」「消費市場」の教育について

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陵坂は最近、ホリエモンこと堀江貴文さんの「稼ぐが勝ち」という本を読みました。 

稼ぐが勝ち?ゼロから100億、ボクのやり方? (光文社知恵の森文庫)

稼ぐが勝ち?ゼロから100億、ボクのやり方? (光文社知恵の森文庫)

 

本書の中に「「貯金をしなさい」は間違っている」という章があります。なかなか衝撃的なタイトルですよね。その中にこんな文章があります。

もともと郵便貯金という制度は、戦費を調達するためにはじまったものです。貯金箱から鉄砲の弾が歩き出している絵に「ウレシイナ ボクラノチョキンガ タマニナル」と書いてあったり、「勝つまで要るだけ 貯めるぞ貯蓄」「家は焼けても 貯蓄は焼けぬ」なんて標語が当時の新聞に載っていました。

つまり「貯蓄は美徳である」という考え方は戦時中の名残りにすぎないのです。 

貯金について調べてみた

実際に調べてみると1875年(明治8年)に郵便貯金事業が始まっています。郵便貯金 - Wikipedia

・1875年5月2日に導入された。

・当時の国民にとって、「貯金(貯蓄思想)」という概念がなかったため貯蓄が集まらなかった。

・貯蓄の道徳について、小学校の教育に取り入れることで徐々に庶民の間に貯蓄思想が普及し貯蓄率も1887年ごろから増加するようになった。

1875年~1887年頃と言えば、樺太・千島交換条約やノルマントン号事件の当たりなので、堀江さんが指摘した内容とは違いますね。堀江さんのご指摘の標語は第二次世界大戦中の標語だと思うので60年くらいずれています。

郵便貯金が戦費調達の為に始まったというのは違うのですが、今に続く「貯金(預金)という習慣」はこの頃からより強固になったという説については否定できません。というのも少し探しましたが、これについてはよくわからなかったからです。そうなると堀江さんがご紹介の標語がいかに世相を反映しているか。またこの戦争に生き残った方の教育を我々は受けているわけで、名残という部分には説得力があります。 

普及の第一歩が、「小学校の教育」だったということも面白いですね。

マーケット視点で考えると「消費市場」「貯蓄市場」で分けることが出来ます。「貯蓄市場」はさらに「貯金」「保険」「投資」と分けることが出来ます。

「保険」について調べてみた

その中の「保険」についての始まりはロンドン大火(1666年)だと言われています。これを発端として世界発の火災保険が1681年に始まっています。その後、1762年にロンドンでエクイタブル生命が設立されて近代生命保険の発祥と言われているそうです。日本では1880年に日東保生会社が設立されています。 

「投資」について調べてみた

ではもう一つの「投資」がいつ始まったのかというと日本証券業界に以下の文章があります。

日本初の株式会社は、1873年に設立された第一国立銀行という名前の民間の銀行でした。また、1878年には東京と大阪に証券取引所が開設されました。

つまり日本での導入・開設を時系列順に整理すると

1875年:郵便貯金

1878年:証券取引所

1880年:保険     となります。

全部、明治時代の同時期に始まり、どれも日本人の「宵越しの銭は持たない」の感覚になじまないところからスタートしているわけです。この中で学校教育を行った「貯金」が根付き、これだけの貯金大国が出来上がったということなんですね。 

「貯金」「保険」「投資」のいずれも学校教育で学ぶことは意義があると思います。

ビジネスの視点でみると「貯蓄市場」のプレーヤーは「教育」という根本の部分からしっかりアクセスしていることがわかります。例えば… 

一般社団法人全国銀行協会も同様に中学生向けの教材を用意しています。

www.zenginkyo.or.jp

公益財団法人生命保険文化センターは学校教育事情としてセミナーや教材、作文コンクールを行っています。

学校教育支援|公益財団法人 生命保険文化センター

 日本証券業界では中高生向けに投資のWEB教材を用意しています。 

投資にかかわる教育プログラム | 日本証券業協会

消費市場の教育へのアプローチ

では「消費市場」は「消費」について「教育」面からアプローチできているでしょうか。

マーケット視点でいえば、まず「貯蓄市場」と「消費市場」の選択があって「貯蓄市場」から免れたお金が「消費市場」で使用されるわけです。先に「貯蓄市場」で使われてしまうと「消費市場」で使われるお金の総量は減ってしまいます。 

「消費」についてもっと学ぶことが「消費市場」にお金を呼び込み、全うな対価を支払うことに繋がるのではないでしょうか。残念ながら「お金はあまり払いたくないけどサービスをしろ、それが客商売だろ」という方も多いわけです。ここの部分の教育が出来ているのでしょうか。

とても当たり前のことなんですが、良いサービスを受けたければその分多くお金を支払うべきですし、サービスなんていらないよという方は低価格で満足できるようにする方が多くの方が幸せになるはず。格安航空券などでは実際に進んでいますが、もっとこういう差別化が増えて、消費者が自分の状況や考えに合わせて選べるようになると良いと思います。 

そして、この考え方はいわゆる「消費者と企業」の関係だけでなく、「企業と企業」の取引においても後に大きな実りとなるはずです。ブラック企業はもちろん、ブラックまでいかないような企業であっても企業間交渉でサービスという名の無償提供を求めるケースを聞くことがありますよね。

私が言う「消費市場」の教育というのはそういうものです。教育はすぐに結果は出ませんが、消費者を守るだけでなく「サービスには対価」という現実をわからせる教育も必要だと思います。

*ちなみに悪徳商法に騙されないなどについては公益財団法人消費者教育支援センターが行っています。

法人概要 - 消費者教育支援センターについて - 公益財団法人 消費者教育支援センター

*「貯蓄市場」 「消費市場」については下記書籍を参考に書かせて頂きました。 ちきりんさんの書籍はわかりやすく、ハッとさせられるので大好きです。

マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法

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